家庭の中を、一度ぐるつと見回してください。新聞、雑誌をはじめ靴やワイシャツ、洗剤などの箱、段ボール箱などが目につくと思います。
これらがいらなくなったときに、ごみとして捨ててしまうのでは、資源の有効利用になりません。家庭内で集めて、チリ紙交換や集団回収などに出すようにしましよう。そのときに最も大切なことは、古紙を分別することです。また、禁忌品と呼ばれるビニールやゴム、布類など、紙の原料にならなかったり、紙を作るうえで重大な障害を起こしたりするものは、絶対に入れないことです。では、具体的にどのように分別すればいいのでしょうか。
質のよい再生紙のために
まずお願いしたいのは、必ず新聞と雑誌に分けることです。「似たようなものだから、分ける必要はないじゃないか」と思われる方もいるでしょうが、この二つの紙質は、「似て非なるもの」なのです。この二つが混ざっていると、質のよい再生紙ができません。
菓子箱やワイシャツ箱などの紙箱は、平たく伸ばしてまとめて分別しましょう。なお、牛乳パックは一部の製紙メーカーで再生利用されています。これは牛乳パックだけを分別回収し、新聞や雑誌などの古紙などの古紙の中には絶対に入れないようにしてください。
身近な紙製品に再利用
こうして分別された古紙は、回収されて再び紙になります。では、実際どのような形で、わたしたちの生活に戻ってくるのかご存じですか。新聞や雑誌はもちろん、トイレットペーパーやチリ紙、絵本、アルバム、紙テープなどには、ほとんど古紙が入っています。
また、せっかく古紙を分別回収しても、それが紙の原料として使われなければ、結局ごみとなってしまいます。そこで、古紙の分別とあわせて再生紙を、家庭の中でも積極的に使用していくことが、紙のリサイクルを進めるうえで最も重要なことなのです。
一年間の新聞は木一本分
「一家庭から回収された古紙が、どの程度省資源に役立っているのだろうか」と疑問をもつ方もいると思います。
地域によっても違いますが、一家庭当たりの一年分の新聞が、直径十四センチ高さ八メートルの立木約一本に相当するといったら驚かれるでしょう。
各家庭で、個人個人が古紙の再生利用の意義を見直し、紙のリサイクルを実践していきましょう。