読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1990年12月発行 広報よみたん / 8頁

与那嶺貞さんに県功労賞 読谷山花織の第一人者として高く評価

 読谷山花織の第一人者・与那嶺貞さん(八一歳)が十一月三日の文化の日に、県功労賞(文化功労)を受賞した。
 与那嶺さんの受賞は、長年にわたり沖縄の織物の工芸技術の研究に努め、特に伝承が途絶えていた読谷山花織の技術を研究して、復活させた功績と県無形文化財「読谷山花織」の技能保持者として、その後継者の指導育成に尽力、本県の伝統工芸の普及発展に大きく貢献した一というもの。
 昭和三六年、途絶えていた読谷山花織の復活政策に動き出した本村が白羽の矢を立てたのは、沖縄県首里女子工芸学校で学業を修め、織の技能・知識を兼ね備えた与那嶺貞さんであった。
 与那嶺さんは、座喜味以北のお年寄りをくまなく尋ね歩き、やっとの思いで探し当てた人のかすかな記憶だけを手掛かりに試行錯誤を重ね、遂に技法の解明、図案化に成功、まぼろしの読谷山花織を甦らせたのである。
 地機から高機へ、そして織機の踏板の改善により多種多様な紋様を編み出し、着尺のみならず、帯地等の新製品開発にも高い業績を上げ、これまでに叙勲(勲六等瑞宝章)等数々の賞を受賞している。
 基礎知識や基本技術なくして高度の製品は望めないとする与那嶺さんは、後継者育成に努めるかたわら、今尚、日頃の鍛練を欠かすことはない。現役バリバリの与那嶺さんの益々の活躍が期待されている。

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