新春を迎えて
読谷村長 山 内 徳 信
村民の皆様!
明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
村民の皆様方には、希望と決意に燃え新たな気持で、新年を迎えられたことと思います。
光陰矢の如し、歳月人を待たず、と昔から言われておりますが、誠に歳月の経つのは早いものであります。
「未」年の年頭に当り、村民各位のご多幸とご健勝、ご活躍を心からお祈り申し上げます。
昨年は、皆様方には村政発展の為に、直接間接ご指導、ご鞭撻を賜り、誠にありがとうございました。心から敬意と感謝を申し上げますと共に、皆様方にとりまして輝やかしい希望に満ちた年になりますよう、心からお祈り申し上げる次第であります。
二十一世紀はいよいよ世界が、一つの地球国家実現に向けて動きはじめる時代、世界を見通せる読谷村の村づくりを!
昨年は私達にとって極めて重要な年でありました。それは平和への道を選ぶのか、戦争への道を押しつけられるのか、その選択がせまられた年でありました。
米ソを中心に世界は平和共存路線を歩みはじめたのでありましたが、そこに一石投じたのがイラクのクエートヘの進攻でありました。
日本政府は、これら中東諸国の戦争への危機への対応として、米国の求めに応じて、平和憲法の枠を越えて、自衛隊等を派遣する為に、「国連平和法案」を国会に提案したのでありました。
ところが、これに対し、戦争の悲惨な体験を有する沖縄県民を先頭に、日本国民は再び戦争への道を許さない、との国民的抵抗を示し、法案は廃案になったのであります。国際紛争は武力で解決すべきものではない、との貴い教訓を我々は第二次世界大戦から学びとっているのであります。
世界の目が中東に注がれ一触即発の状況にあった昨年の師走、人類の輝やく知性の目は、ソ連の打ち上げたソユーズTM10宇宙船に向けられたのであります。
ソ連の二飛行士と共に、日本人としては初の飛行士「秋山豊寛(TBS記者)」が同行した。秋山さんは百九十時間、地球を百二十四周して、宇宙船から見た地球の病んでいる姿をリポートして、宇宙開発の歴史に輝やかしい足跡をしるして下されたのであります。
私達は今回のソユーズ10号の日ソ共同調査研究の貴い姿を見て、地球と宇宙との関係、人間が国境を越えて地球規模で活躍し、世界が対立から平和共存に向かい、世界が一つの地球国家の形成へと進んでいることを目のあたりにした時、それは感動的であり、多くの人々に宇宙への関心と夢と希望を抱かせる快挙でありました。
このような国際的な動きでありましたが、私達読谷村内の一年の主な歩みを顧みますと、▲読谷村立美術館の開館が実現し、歴史民俗資料館と共に、文化村づくりが一層充実して参りました。▲読谷村ノーベル平和賞を夢みる村民基金が、村内十団体から申請活用されるようになり、住み良い環境づくりが進んで参ります。▲第七回健康づくり村民の集い、が古堅南小学校に会場を移し、創意工夫をこらし盛況であった。▲第六回残波まつつり開催、第九回池田町・読谷村児童生徒交流事業の実施。▲第十六回目を迎えた読谷まつり、雨天の為三日間になったが、例年以上に盛り上り、各会場とも内容が一段と充実、内外からの観客も多く特に今年は、池田町、東京、三重大阪、福岡、長崎、中国く北京)からの参観者もいて圧巻だった。▲第三回読谷村平和創造展開催、▲古堅南小学校マーチングバンドの輝やかしい実績をはじめ、村内各小中学校の各方面における活躍は目をみはるものがあり、指導の先生方や父母の皆様方に心から感謝を申し上げます。▲第一回読谷文化財展は、展示に創意工夫がこらされていて見ごたえのあるものであった。▲比謝川沿岸整備基本計画・基本設計の概要がまとまり、いよいよ事業認可への取り組みが始まります。▲世界のウチナーンチュ大会中、一日は世界のユンタンジャンチュ大会行事が開催出来七十名余りの世界各国在住の皆様と交流交歓会が出来たのも思い出の一つとなり、これによって世界が更に小さく感じ親近感がわいてきました。ソフト面を中心に書いてみましたが、ハード面の事業としては、▲読谷小学校の校舎の大規模な建築工事が進行中であり、▲水釜~大木線の架橋工事が進行中であり、新春四月頃には開通を迎えることになります。▲楚辺地域を中心に下水道工事の準備が進みつつあります。▲現在、役場内において、村民センター地区(役場庁舎)建設に向けての調査研究活動が行われております。将来の役場庁舎を読谷飛行場内に移す計画であります。この計画は、二十一世紀の読谷村の村づくり、街づくりの活動の拠点形成をするものでありますので、村民各位の深いご理解と御協力を心からお願い申し上げるものであります。 去る年も、いきつく間もないあわただしい一年でありました。特に選挙のあたり年になりまして、二月の衆議院員選、六月の村長選、九月の村議選、十一月の県知事選と、それこそ大変な一年でありました。こうして一年が過ぎ、また新しい年を迎えたのであります。
最後に、本年度も村政の発展と村民の福祉向上とあわせて、人間性豊かな環境・文化村づくりの為に、決意も新たに役場職員一体となって頑張って参りますので、村民各位の一層のご指導とご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げますと共に、村民の皆様方の上に幸せが訪ずれますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。