児童・生徒の基礎学力の向上は本村の重要課題である。
幼稚園はじめ、全小・中学校が村教育委員会より、研究校に指定され、各校とも独自の研究テーマを掲げ、父母、地域との連携を密に、研究・実践を積み重ねており、平成元年六月には、「読谷村学力向上対策推進協議会」(岳原宜正会長)を結成して知・徳・体の調和のとれた基礎学力の向上を図り、全国水準にまで引き上げることを目標に、学校・家庭・地域の総ぐるみによる推進活動を展開しているところである。
平成二年度における本県の達成度テストの結果、中頭教育事務所管内は最下位にはあるが、本村はその中では一・二位を争うまでに力を伸ばしてきている。
小学校三年生と五年生による国語、算数の学力検査の結果は、全体としてまだまだ全国水準に至らず、あと一歩のところにあり、三年生よりも五年生が低い位置にあるが、学校別にみると、三年生で全国平均を越えた学校があり、明るいきひざしがみえてきた。
三月九日、読谷村学力向上対策推進協議会・村教育委員会主催の平成二年度「読谷村学力向上対策推進大会」が村中央公民館ホールで行われた。
大会では、事務局の喜友名行雄学校教育指導主事の経過報告に続き「学校教育部会」の幸喜政子読谷小学校教諭、「調査研究部会」の古謝振哲読谷中学校教頭、「家庭・地域教育部会」の儀間真智子渡慶次子ども育成会副会長が、それぞれ研究及び事例発表した。
仲里平三中頭教育事務所指導主事の指導助言の後、津留健二県教育委員会教育次長が「児童・生徒の学力を向上させるために~親や教師に求められるもの~」と題して講演。「子供の生命を、人格を尊び、未来への可能性を信頼してやること。人生は筋書きのないドラマであり、子供の将来を決めつけてはいけない。
本県の子供たちは、素朴で明るく、思いやりのある反面、けじめ、学習意欲、根気強さに欠けるところがあるが、いかにして短所を改め、長所を伸ばしてやるかが、大人の役目である。
わからないのなら『わかる』『わからせる』授業の工夫・改善をくり返し、家庭学習を見てやれないのなら、せめてテレビのスイッチを切って見守ってあげるというようにそれぞれの立場でできる限りの応援をしてやることが大切であり、親や教師が地道に努力すれば、必らず子供も変わり、『基礎学力の向上』『基本的生活習慣の確立』が実現できるのである。もはや責任転嫁の時代ではない!。学校、家庭、地域が連携を密に頑張っていただきたい。」と激励した。