読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1991年3月発行 広報よみたん / 8頁

【見出し】特産品紅いもの販路開拓をめざして よりよい品質の生産活動に意欲 琉球いも生産部会 【写真:選別のあと箱詰めされる紅いも-村農協集出荷物-】村下式かんしょ植付棒 紅いも(宮農36号、備瀬)栽培ポイント

 昨年七月結成した「琉球いも生産部会」(仲宗根盛数部会長)では、紅いもの生産・品質の向上や、販売経路の開拓をめざして部会員の生産規模の調査や講演会、講習会等を中心に、本格的な生産活動に向けて、諸準備を進めているが、二月二〇日には、村農協集出荷場で会員十人が参加して、紅いもの形や品質等を統一して出荷する、目ぞろえ会を行った。
 紅いもの重さ、品質、形の選別基準や包装基準に基づく選別方法によるもので、分けられたいもは洗機できれいに泥が落とされた。色鮮やかな紫色の紅いもが一個ずつていねいに箱に詰められ、その日、十キロ入りケース三四箱が出荷された。
 読谷村の特産品として知られる紅いもは、村商工会が「むらおこし事業」で開発した紅いも菓子が脚光を浴びるようになると、益々需要も高まり、生産農家の意識の変革やより良い品質管理が求められるようになっている。
 村農協指導販売課や村役場経済振興課では、紅いもについての質問や相談を受け付けており、多くの生産農家の皆さんからの問い合わせを呼びかけている。

※表。1.選別基準
※表。2.包装基準

   村下式かんしょ値付棒
 この植付棒は古くなったコウモリ傘の柄とモウソウ竹を利用した二種類。いずれも先端で苗を狭んで植え付けるもの。植え方は、琉球いもの苗の切り口を上にしてマルチ畝の中央に置き、切り口より2~3cm下方に植付棒の又部分に当ててマルチの上から直接苗を斜めに突きさす。植付棒には10cmごとに目盛りを付けておけば最適の移植の深さとすることが可能。植付棒の効果は抜群で植え付時間が30~50%短縮し、活着も良いため収量も1割程度増加するとともに経営面積も拡大できる。(植え付の深さは斜めに10cmとする。)

紅いも(宮農36号、備瀬)栽培ポイント
1.できるだけ高畦とし、畦巾70cm~75cm、株間25cm~30cm 1条植え
2.苗は本葉5~6枚で長さ20cm~25cm程度がよく、浅植えとし、押さえつけず、葉もすべて地上に 出す。下葉を枯らさないことが、早期収穫、多収につながる。
3.原則として、さとうきびの後作の場合、無肥料栽培とし肥沃土壌では備瀬が適する。
4.1年を通して植え付けは可能であるが、10月~2月植え付けばマルチ栽培がよい。(保温、除草、 活着のメリットがある。)
5.ゾウムシ(ニイジャー)防除として植え付け後2ヶ月~3ヶ月目にトクチオン乳剤(1,000倍/500㍑/1 0㌃)を株基にかん水する。連作畑については植え付前にトクチオン粉剤(6kg/10㌃)2袋を散布す る。
6.収穫適期は春、夏植えの場合、4ヶ月、秋、冬植えを5ヶ月とする。収穫適期を遅らせるとゾウム  シの被害が多くなるので注意する。
7.収穫は晴天日に行い、選別をきちんとし洗って出荷する。

 いもが太るのは葉やつるの生育が抑えられるときです。肥料切れや乾燥が必要です。ですから初期活着をうながし、前半で葉やつるを作り後半をいもの肥大に向ける管理が良いでしょう。そのために施肥も基肥を原則とし追肥は行わない方が良い。
※マルチャー、いも堀機はオペレーターがいますので機械を持たない農家でも栽培が可能です。※いも洗機も農協にありますので御利用下さい。
 紅いもについての質問や相談がありましたら下記に連絡下さい。
                読谷村農協指導販売課 958-4107・4106   儀 間 正 徳
                読谷村役場経済振興課 958-2201内線246  玉 城   悟

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