読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1991年4月発行 広報読谷 / 3頁

※続き。原本 頁02~

 第八は、海岸線道路及び海岸線の秩序ある整備のあり方について、基本調査を実施してまいります。
 第九は、今年度より「紅いもの里」づくりをめざし、具体的に施策を展開することであります。特用作物である紅いもについては、これまで、本村の特産品としてその振興策がはかられてまいりましたが、メリクロン苗の導入と採苗圃の設置をはかり生産の拡大と二次加工を促進するものであります。
 第十は、新沖縄林業振興特別対策事業の導入をはかり、親志砂良原の村有地に緑化用苗畑を造成し、環境緑化木及び苗木の生産施設を整備するものであります。
 第十一は、漁業振興事業として、浮沈式生實設置試験事業を推進することであります。これは県、村、漁協の三者が相提携し、外海での養殖事業の実現に向け、その可能性をさぐるものであります。
 第十二は、消防緊急通信指令施設整備事業を実施することであります。この施設は緊急通報を即座に消防職員に伝えるもので、出動時間の短縮と迅速な行動を可能にするものであります。

二、村政に対する基本姿勢

 読谷村政の基本姿勢は、日本国憲法の精神を村民生活に根づかせ、これを生かす「平和憲法の生活化」であります。沖縄県民の歩んできた歴史的教訓と、内外の諸情勢の変化の著しい中にあって、二十一世紀の歴史の批判に耐えうる地方自治体として、最も大事なことは今日まで言い続けてきた憲法の理念である「平和主義」「主権在民主義」、「基本的人権の尊重」、「地方自治の本旨」を原則として村民主体の村政を展開することであります。
 地方自治の本旨に基づいて確立されたわが国の地方自治制度、いわゆる住民自治、団体自治に立脚した「自治と分権」を内容とする「地方の時代」をめざし、二十一世紀を展望した「人間性豊かな環境・文化村」づくりを創造していくことであります。
  それは、
一、平和と民主主義、人間尊重の村政をめざす。
一、地域産業経済の発展向上をはかり、活力ある地域づくりをめざす。
一、民主的な学校教育及び生涯学習の充実をはかり地域の歴史・文化の継承発展をめざす。
一、村民福祉の増進をめざす。
一、明るく住みよい健康な村づくりをめざす。
一、自治と分権、地域主義と参画の村づくりをめざす。
  以上の六項目を基調として村政を進めてまいります。

三、本年度の重点事項

 一九九一年(平成三年)度の重点事項は次のとおりであります。
一、教育及び文化の向上
一、産業経済の振興
一、保健・医療及び社会福祉の充実
一、生活環境の整備推進
一、平和行政の推進
一、読谷飛行場転用計画の推進
一、国道五十八号嘉手納バイパスの建設促進
一、村民センター地区(庁舎等)の整備推進
一、残波岬地域及び海岸線の保全整備
一、比謝川沿岸整備事業の推進
一、公共下水道整備事業の推進
一、「ノーベル平和賞を夢みる村民基金」の活用

四、本年度の実施項目

 次に一九九一年(平成三年)度の主な施策の概要を申し上げます。
(1)学校教育・生涯学習の充実並びに地域文化に関する施策
 すばらしい文化の創造や平和な社会の建設も、すべては人間個々の情熱とたゆまぬ努力によってできるものであります。したがって、よりよい村づくりの基本は、まず「人づくり」であり、その主役はまさに村民であります。そこで「人づくり」は生涯にわたって学び習い、実践できる環境づくりが極めて重要であります。
 教育は百年の大計であると言われております。現在の人間社会は高度化、多様化、複雑化の時代であり、このような社会状況の中で、心豊かな人間づくりを進めることは益々重要性をおびると同時に、私たちに与えられた大きな使命であります。
 教育基本法の前文には、教育の基本理念は「民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献し」「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす」ものである。と教育の原理が示されております。
 さらに、教育の目的は「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と謳われております。
 教育行政はこの教育基本法の理念に基づき、教育環境の整備、学習指導の充実をはかり、また青少年の健全育成、社会教育の充実、体力の増進、地域文化の振興及び文化財の保護育成、さらに年齢各期に応じた生涯学習で豊かな人間性の形成をめざし、行政、学校、家庭、地域が一体となって「人づくり」に努めてまいります。

①教育諸条件の整備
 学校教育におきましては、生涯学習社会の基礎づくりとして心身ともに健やかな児童生徒を育成することが基本であります。そのためには、児童生徒が伸び伸びと学習できる教育環境の整備が重要となります。また、学校現場におきましては、教師と家庭、地域が一体となり、その使命感と情熱を傾注し、二十一世紀を担う子供達を教え導くための努力が必要であります。
 今年度は、読谷小学校水泳プール建設事業、喜名小学校渡り廊下建設事業、読谷中学校外構整備事業等の教育環境整備事業を推進してまいります。また、楽器や視聴覚、情報器材等の教育備品の充実もはかってまいります。併せて、副読本や三味線等ゆたかな郷土教材を採り入れた教育指導、体験学習が学校現場と地域の連携で実践され、着実に根づいており、本村の豊かな自然、歴史、文化を活かした郷土の息吹きに接する教育をより一層推し進めてまいります。

②生涯学習並びに社会体育の振興
 国際化、情報化、高齢化と現代社会はまさに地球規模で多様化の時代であります。このような社会状況の中にあって、心豊かな人間形成を望む社会的要請は年々高まるばかりであります。また、安定成長期の中にある経済社会にあって人々の意識は、物質的豊かさを求める時代から精神的豊かさを求める時代へと大きく変化してまいりました。
 この時代の要請に適切に応えるため、さらに真の潤い、創造の喜びを育むための社会教育事業を展開してまいります。それは、生活課題や教養学習等各年齢期に応じた各種学級、教室の開設、文化講座など様々な生涯学習の場を創出し、その内容充実をはかってまいります。さらに、自主サークル活動や社会教育関係団体の育成に努めてまいります。
 また、地域における活動拠点である部落公民館は、日常的な活動の場であり、青少年の健全育成や多様な住民活動が活発に行われております。これらを支援すると同時に、公民館長の県外研修や第十六回公民館まつり等を実施し、地域コミュニティー活動の発展をはかってまいります。 児童生徒の夢とロマンをのせた「北海道池田町、読谷村児童生徒交流事業」は今年度で第十回目を迎えることになります。この体験学習は、全く自然環境の異なる地域間交流であり、広い視野と希望に満ちた人間形成をめざし、二十一世紀を担う若人の育成事業として継続してまいります。 社会体育事業といたしましては、村民が健康で明るい生活を営むための生涯スポーツの推進、各種スポーツ大会やスポーツ教室、指導者研修、スポーツ団体の育成に努めてまいります。
 また、これらスポーツ活動を充実発展させるため学校施設の開放事業や運動広場、勤労者体育センター、平和の森球場、多目的広場等の効果的な利用をはかり、コミュニティースポーツを促進してまいります。

※続く。

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