精神療養者で組織するSFD(社会・復帰・同志)なごみの会の作品展が五月二十八日から六月二日までの間、村中央公民館ギャラリーで開催され、二九六人もの観覧者でにぎわった。
なごみの会は、精神療養者がグループ活動をとおして仲間づくりや生活のリズムをつけ、社会復帰を図ることを目的として結成された会で、今回の作品展は、その社会復帰をめざす村内の精神療養者の女性メンバーを中心に、保健婦、民生委員の協力を得ながら作品作りに励んだ成果の発表の場となった。伊良皆のカッティング松田さんからゆずり受けた布切れを利用し作った「ヘアーリボン」「鍋つかみ」「バック」「ピエロ人形」等の作品が所狭しと展示され、即売会では、一人でたくさんの作品を買い求める人もおり、メンバーに大きな自信を与えた。
作品づくりは村総合福祉センター内で毎週月曜日の午後に行なわれ、メンバーらは「毎週月曜日が来るのが楽しみ」と語り、また「もっと仲間の輪を広げていろんな作品をつくってみたい」と意気揚々と話す。
平成二年より、ノーベル平和賞を夢みる村民基金からの助成を受け、ミシン二台をふるに活用することが出来、創作意欲も増々高まっている。
メンバーを支える保健婦(村環境衛生課)は「薬を飲んでいるために、家の中に閉じ込もり、生活のリズムがルーズになりがちな皆さんが、定期的に集まり作業して、物を作りだすことにより、表情も明るく自信をつけている。将来は、皆さんの作業所が実現できるように、社協や行政の協力も得ながら一緒に頑張りたい」と話している。