読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1991年10月発行 広報よみたん / 8頁

【見出し】山城見信展オープン-読谷村立美術館- 【写真:画家山城見信ご夫妻と宮城館長:館内には大作の絵画を展示】

 村立美術館では開館二年目を迎え、その一周年記念事業として初回には象形マンダラ宇宙と礁と冥想の世界を画く「城間喜宏展」を開催し、次いで県内の新進気鋭の画家と併せ、画壇の各会派に所属し活躍している画家の絵画を一同に展示した「県内画家展望展」を、さらに今回、一九六〇年初期より求心的な孤高をつらぬき、その中からユニークな絵画活動を展開してきた山城見信氏の作品を展示した「山城見信展」を開催しました。
 そのオープン式が九月三日午前、多数の来客が参列する中、美術館館内にて行なわれ、主催者を代表して岳原宜正教育長は「美術館では次々と企画展が開催されている。美術館の開設当初から協力をし、支え、功績のある山城先生の個展を開くことは村民の喜びである」と感謝を表明。同様に、安田慶造助役も「山城先生は当初から美術館に関わってきた。真心から理解し支えて下さる方があるからこそ美術館は予想以上のペースで発展してきている。小さいながらも大きく育てて生きましょう」と賛辞を述べました。これに対して画家の山城見信氏は「多くの村民の前で生まれてはじめて賛辞を送られた。明日からどうして暮らそうか」と冗談?を語りながらも、「私は、もう個展を止めようと思っていた。しかし、読谷村への想いから個展を開く心境になった。絵を通して一人の人間がどのような生き方をしてきたか、また、どのように生きていくかを見て頂きたい」と話され、大きな拍手をあびました。
式を閉じた後、来客は、館内の壁面いっぱいに展示された山城画家の生命感にあふれ、創造的なエネルギーを秘めた大作の絵画に圧倒されながらも、山城見信氏の世界を熱心に観賞していました。
 今回、展示されている絵画は全部で四十三点。六百号(横五九一㎝×縦二〇六㎝)の大作から小品までの絵画が館内を埋めている。
 作品は、アクリルをベースに油彩やクレヨン、さらに砂をまぶして素材感を出すなど工夫をこらし、いくつも色を重ねることによって深みを出した画面は、混沌とした中にも生命感のある作品と評され、いずれも新作。
 多くの村民が観賞して下さい。

  展示期間(月曜日休館)
◆ 九月三日~十月二十七日迄
◆ 午前九時~午後五時迄

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