【見出し】新春を迎えて 読谷村長山内徳信【顔写真】年頭の挨拶 読谷村議会議長儀保輝和【顔写真】 謹賀新年読谷村議会 新年のごあいさつ 読谷村教育長岳原宜正【顔写真】あけましておめでとうございます
新年を迎えて
読 谷 村 長
山 内 徳 信
村民の皆様!
明けましておめでとうございます。謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
村民の皆様方には、希望に燃え新たな決意で新年を迎えられたことと思います。
一九九二年(平成四年)の年頭に当り、村民各位のご多幸とご活躍を心からお祈り申し上げます。
歳月の経つのは誠に早いものであります。沖縄の言葉に「歳月ヌハイや馬ノハイ」と言われておりますように、あまりの早さにただ驚くばかりであります。
昨年は村民各位におかれましては、読谷村発展の為に、ご指導、ご声援、ご鞭撻を賜り誠にありがとうございました。心から敬意を表し、感謝を申し上げる次第であります。
激動の世界にあって真実の歴史を見抜く人間になろう
世界の情勢は、米ソの対立から平和・協調へと変化する中にあって、局地的に民族の独立、自由、解放を求める闘いがありました。
国内的には、バブル(泡)経済はたんの破綻、証券疑獄、実行しない政治改革論議、これらの国内問題から国民の目を国外にそらす為(?)に、国際貢献論の美名の下に、国連平和維持協力(PKO)法案を、衆議院特別委員会で強行採決。平和憲法を犯し、憲法違反の自衛隊を堂々と海外派兵の道を開こうとする政府の政治的動きに、国民の厳しい監視の目が必要であります。
日本国民は国際貢献そのものには誰も異論はなく、太平洋戦争の教訓と反省、憲法九条の立場から自衛隊(軍隊)の派遣に反対しているのであります。
憲法の範囲内で、別途、国民的組織をして「国際貢献団」を作り対応する。それが平和憲法下における日本の正しい姿であり、アジア諸国をはじめ、世界各国から信頼され、高い評価を受ける道であろうと確信するのであります。
さて、今年は沖縄が日本復帰して二十年目になります。復帰の時、政府の公約は「核抜き本土並み返還」でありました。その公約は守られず、基地機能はますます強化され、演習は激化し、戦場さながらの基地の島であります。これを政治的『差別』、『県民無視』と論断せずにはいられないのであります。
このような内外の状況の中にあって、読谷村内の一年間の動きを見ますと、村づくりが一層充実した方向へと歩んできた年であったと思います。
▼第十七回よみたんまつりは、関係者のご努力によって、いやが上にも盛り上り感動の連続でありました。老若男女、村民総参加の手づくりの読谷まつりは、そのまま読谷村の明日を担う人づくりにつながるものであります。
▼長浜ダムの定礎式典が厳粛の内に、長浜の芸能チクタヌメーの先導によって古式豊かに執り行われました。これは読谷村にとって後にも先にも体験することの出来ない貴重な行事でありました。ダムの完成によって、読谷村の農業は飛躍的な発展をとげ、農家所得は増え、地域経済の振興に大きく貢献するものであります。
▼西部連道土地改良事業の完工記念碑の除幕式と記念式典が盛大に開催されました。これは米軍の作った本土爆撃用のボーロポイントの返還跡地の有効利用の壮大な事業であり、恵み豊かな土地に生れ変わりました。
▼下水道事業については、関係者のご理解とご協力を仰ぎつつ、施設用地の準備が進みつつあります。
▼読谷村内最後の水泳プールが読谷小学校で建設中であり、子供達が大きく期待しております。▼読谷村立美術館並びに村立歴史民俗資料館は、文化村づくりの中核的施設として、ユニークな企画展が開催され、内外の多くの人々から親しまれ、高い評価を受けております。
▼読谷村内各小中・校とも一生懸命頑張り、各分野で輝やかしい成果を上げております。南小のマーチングが県代表として、一月に全国大会(東京)へ出場します。読高野球部の県内優勝、九州大会ベスト4進出は見事で、春の甲子園大会出場決定の知らせを待ち望んでいるところであります。今回の読高野球部の快挙は、読高の生徒のみならず、小中校生、村民に大きな自信と誇りを与えてくれました。
▼第四回読谷村平和創造展が開催されました。今回の特色は、従来の物に加えて、日本の真珠湾奇襲の写真資料、旧日本軍による中国侵略戦争(三光作戦)の実相等、思わず目をおおいたくなるような残酷なふるまいをする日本兵の写真の前に立って「日本兵は一体何んであったのか」………と。戦後四十六年、戦争犠牲者の声が、歴史の真実の声として国の内外から政府につきつけられてきた。日本の犯した過去の過ちは、おおいかくすのではなく一度全部表面に出して、歴史的事実として反省し、償い、教訓を未来に生かしていくという思想、すなわち、加害者であったと言う認識に立って行動した時、アジアの国々との信頼関係が築かれていくのであり、そのことを学校教育の中で、きちっと教えていける文教行政の確立が重要であります。
一切の歴史の苦難と抑圧に耐えて生きて来た島「基地の島沖縄」からは被害者としての意識と加害者としての意識の両方がよく見えるのであります。
最後に、本年度も読谷村発展の為、決意も新たに役場職員一体となって頑張って参りますので、村民各位の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げますと共に、村民の皆様方がご健康でお幸せでありますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
年頭の挨拶
読谷村議会議長
儀 保 輝 和
一九九二年の年頭にあたり読谷村議会を代表して、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
「村民の皆様、あけましておめでとうございます」
一九九一年を顧りみますと、世界の流れが対立から対話へと、東・西(南・北)関係の緊張から和平への歩み寄りの中、中東に於ける、イラクのクウェートヘの侵攻によってもたらしたイラク対多国籍軍の湾岸戦争は、さながら子供達がテレビゲームを楽しんでいる様な錯覚をおこす位に吾々の日常生活に飛び込んでまいりました。
電子戦争ともいうべき、ハイテクを駆使しての戦争がマスメディアを通じて、お互の茶の間のテレビで見るに至っては、宗教・民族間の問題と伝えども、戦争という愚行は、戦争をする者達の死で片付くものでもなく、あらゆる影響を周辺に与え、この地球に与えて、21世紀の担い手達にこの地球を託すには、あまりにも大きな瑕疵を残した様に思います。
また、東欧やソ連に於いては、民族独立運動やソ連邦の崩壊と、世界はめまぐるしく変わっておりますが、吾が日本は!、吾が沖縄県は!、吾が読谷村は!と、想いめぐらしますと……。
吾が沖縄県は、祖国復帰20周年の節目として、種々な催しが企画されると思います。
沖縄県は、一次振計・二次振計と、これまで継続して、社会資本の整備等が進められてまいりましたが、まだまだ本土水準には程遠く、私供県民は第三次振計の策定と高率補助の継続が、沖縄県を本土並み経済水準に引き上げる、最重要課題だと思います。
行政関係、議会関係にあるものは、政府関係にそれぞれの立場で働きかけねばならないと思います、本県に於ける課題も山積されておりますが、本村の最重要課題としての、「読谷飛行場の問題解決」も、日米合同委員会に於ける基地機能の移設合意から十一年を経過しておりますが、パラシュート降下訓練は、いまだ続けられており、根気づよく撤去運動を続けていかなければならないと思います。
さいわい!、国道嘉手納バイパスの路線が「読谷飛行場転用計画」の路線に添った形で計画がなされ、地域説明会が始まった事に具体的な動きとしての読谷飛行場問題解決の一面が見られる様な気が致します。
将来の読谷村の行政の中心としても、役場・議会等、庁舎も「庁舎建設委員会」の答申を受け、読谷飛行場の中に位置づけがなされ、これまた具体的な動きとして、庁舎建設の為の基金積立を開始しており、幾つかの問題を残しながらも確実に前進を致しております。
村民の皆様が、これまで行政や議会に寄せられました御厚情や御協力を旧に倍にして御指導頂ければ、そう遠くない。近い将来にはかならずや「読谷飛行場の問題解決」は実現するものと思っております。
私供、議会も村民と共に尚一層の努力を重ねてまいる決意であります。
村民の皆様の叱咤激励をよろしくお願い申し上げまして年頭の挨拶と致します。
読 谷 村 議 会
議 長 儀 保 輝 和 〃 松 田 政 弘
副 議 長 知 花 治 雄 〃 比 嘉 光 雄
議 員 比 嘉 光 義 〃 屋 良 政 信
〃 盛 島 秀 貞 〃 与那覇 真 一
〃 比 嘉 蕃 信 〃 当 山 真 市
〃 島 袋 勝 盛 〃 新 垣 昇
〃 仲宗根 盛 敏 〃 松 田 光 政
〃 佐久間 盛 夫 〃 池 原 伝 雄
〃 比 嘉 秀 哲 〃 当 山 弘
〃 知 花 勝 〃 伊 波 盛 永
〃 山 城 正 輝 〃 山 内 昌 治
事務局長 屋 宜 光 正
※続く。