読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1992年1月発行 広報よみたん / 15頁

【見出し】津波マシさん・知念マサさん 盛大に花の風車を祝う  【写真:津波マシさん-手作りの手鞠を贈る-:知念マサさん-高志保区内をパレード-】

花の風車や風ちりて廻る 我や友連れて遊ぶ嬉しゃ
 十月十四日は旧暦九月七で力ジマヤー(風車)。この日、村内にめでたくカジマヤー(数え九十七歳)を迎えられたお二人のおばあさんがいらっしゃいます。
 花の風車を迎えられた方は、
▼長浜五五七番地
  津波マシさん(明治28年10月15日生)
▼高志保一二三二番地
  知念マサさん(明治28年2月15日生)
 マシさん、マサさんは、明治、大正、昭和、平成の四時代をたくましく歩んでこられました。

 津波 マシさん
-手作りの手鞠を贈る-
色彩豊かな手鞠を、祝い客一人びとりに「私にあやかって!」と手渡すマシおばあさん。
 マシさんは現在、長男の真徳さん(七二歳)ツルさん(六九歳)夫婦と孫二人の三世代五人暮し。四十二歳の時に夫を亡くし、以後、女手一つで男三人、女二人の上人の子供を育て、孫二十一人、曾孫五十二人、玄孫九人に恵まれ元気に風車を迎えられました。
 手鞠は、過去に作り方を習い、公民館や各種祭りの展示会に出展していたのを機に、八十五歳の時、カジマヤーのお祝い返しには手鞠を配ろうと決意。以来、マシおばあさんは毎日というほど手鞠作りに励み、作った手鞠(直経約五㌢)は実に千四百個余りも昇る。
 手鞠の入ったあやかり袋を頂いた祝い客は、真心のこもった祝い返しに喜び、手渡すマシおばあさんの顔にも満面な笑みがこぼれ、とてもすがすがしい。
 マシさんの長寿の秘訣は何ですか?と訪ねると「何でも好き嫌いなく食べ、早寝早起きすることだよ」と語り、一番の楽しみは、子や孫に囲まれて賑やかに暮らすこと。「ウリルーイソーサル」と顔をほころばせ、嬉しそうに話していました。

 知念 マサさん
-高志保区内をパレード-
 飾り付けられたオープンカーに乗って午前中に区内をパレードした知念マサおばあさん。
 午後からは高志保公民館において盛大にカジマヤーの祝賀会を催しました。
 マサさんは現在、孫の正昭さん(五十三歳)サツ子さん(四十九歳)夫婦との七人家族。二男二女の子供四人を育て、孫十二人、曾孫十七人に囲まれ、元気で風車を迎えられました。
 テレビを見るのが大好きで新聞のテレビ番組を欠かさずに読む。特に、時代劇番組が大好きで「水戸黄門」の大ファン。黄門のおじいさんが大好きなのですか?と訪ねると、頬を赤く染め恥じらいを見せる姿がいじらしく、笑顔が若々しい。
 なま物以外は好き嫌いのないマサおばあさん。長寿の秘訣は、牛乳と黒ザーター。朝食にトースト一枚に牛乳、卵焼きを欠かさないという。「みんなが集まるととても嬉しい」と話す、洋食が好きでモダン的なマサおばあさんです。
 祝いに出席した、山内徳信村長は津波マシさん、知念マサさんの風車の祝いに「花のカジマヤーの祝いは区民、村民みんなの、ユンタンザのお祝いです。みんなにおばあさんの長寿をあやからせて下さい」と祝辞を述べられていました。
 双方の祝宴には、子や係、親類だけでなく、多数の区民などが祝福に訪れて、民謡や琉舞を披露。花の風車の長寿をあやかり、賑わっていました。

 いつまでも健ぶる元気でいて下さい。おめでとうございます。

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