読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1992年6月発行 広報よみたん / 4頁

【見出し】三年間ありがとう ギルバート グッドバイ先生 【写真:さよならパーティーで感謝状】大添区からのメッセージ

 -生きた英語を学ぼう-と
大添区(上江洲謙区長)では一九八九年五月から外人講師を招き、同区の小・中・高校生の児童生徒を対象とした「英会話教室」を公民館に開設した。
 当初、児童生徒四名からスタートした英会話教室も現在では常時三十人前後の生徒が教室を訪れ、金曜日の夜ともなると英会話のスピーチで賑わった。
 上江洲区長の依頼で嘉手納航空隊所属のギルバート・マクグァイヤー氏がボランティアとして快く講師を引き受け、以来、三年余にわたって雨、風の日も休むことなく夫妻で大添区の子供たちに英会話を教えてきたという。
 そのギルバート氏が転勤し帰国することになったことから、大添区では夫妻のボランティア精神の素晴らしさと労苦に対して感謝状と記念品(食器セット)を贈ることを決め、五月二日に残波岬いこいの広場バーベキューハウスにて『さよならパーティー』を実施。会場には英会話教室の児童生徒や父母ら四十人が集うなか、上江洲区長がギルバート夫妻に感謝状を贈呈。上江洲区長が「この英会話教室はアメリカ人の家族から生きた英語を学ばせたい思いから、教えるのではなく学ぶことを重視して当初はテキストもなく英語の歌を歌い、遊びの中から出発した。ギルバート氏はボランティア精神と国際的な視野を持って当たり前のように大添区の子供達に英会話を教えてきました。真のボランティアの心を教えられ、とても感謝しています」と称え、ギルバート氏は「大添区の子供達はとても友好的で心が良く、人を理解する心に満ち溢れている。雨の日、風の日にも多くの子供達が教室に通ってきた。一年生だったみさきちゃんなどは三年間通い続けて会話が出来るようになった。いつも明るく振る舞い、教室にも明るい雰囲気をつくっていたことが強く印象に残っている。教えることに非常に楽しみを感じていた。教会で出会った人々、区長夫妻、大添区民など、心の広い人々とお別れすることは非常に絶えがたい。三年間一緒に過ごしたクリスマスの行事、交互に家族で行なったホームスティーなど、余りにもいい思い出が多すぎ深く心に刻み込まれている。去るに当たってもこの友情をいつまでも培っていきたい」と語り、また、小学生を教えてきた妻のベッキーさんは「ほんとに素晴らしい子供達と知り合って良かった。教え子が大きくなってきて英語が出来る。英語を学びたいという気持ちがびんびん伝わってきた。子供達には基本英語を教えてきましたが、きっと中・高校生になって役立つと思う。この子供達が試験日前にレッスンの為に自宅を訪ねてきたこともあった。この時の素晴らしさは記憶に、心に残っています。いい思い出を大切にしたいと思います」と目には一杯涙を浮かべながら話しました。
 国際交流を兼ねた大添区の試みの英会話教室。それは『外人対外人ではなく人間対人間の交際により自然に国際人としての心を育み、今失われつつあるボランティア精神を米国人家族から学び、将来の大添区子供英会話教室の子供達が世界平和に寄与できればと願いつつ結成』の目的が開花したものと言えましよう。
 パーティーでは、ギルバート氏の家族を囲んで和やかにバーべーキューを楽しみながら、友情の絆を更に深めていました。
 この温かなギルバート夫妻のボランティアの心に村民で大きな拍手を送りたい。
【ギルバート夫妻のプロフィル】
 これまで、ギルバート夫妻の献身的な教授で三年間に教えてきた児童生徒の延べ人数は千人余。英会話の教材テキストを自ら持参して教えてきた。生徒の中にはキリスト教短期大学や昭和薬科大学附属高校、球陽高校(国際英語科)の道に進学した生徒もいる。英会話教室の傍ら大添区の清掃作業、敬老会、盆踊りなどの区行事にも積極的に参加して真のボランティアを実践。家族を含めたボーリング大会やホームスティーでの交流を深めてきましたが、この程、職務で本国アメリカ(ニューメキシコ州)に五月十七日に帰省しました。
家族は、一男二女の五人家族。
▼ギルバート(38歳)
▼ベッキー (38歳)
▼クリステーン(17歳)女性
▼ナタリー (15歳)女性
▼ロバート (12歳)男性

大添区からのメッセージ
 平成元年五月五日にスタートした英会話教室を閉めるにあたり寂しい気持ちとほっとした満足感で一杯です。マクグァイヤーさんご家族夫妻によって支えられて来た三カ年間、いろいろ教えられた点が多々ありました。
 快く引き受けてくれたホームスティー、強風の中でのトリイステーションでの一周年ビーチパーティー、基地内でのボーリング大会大添区の諸行事にも快く参加し、子供達と一緒にエンジョイして下さった。真のボランティア精神を私達、英会話教室の子供達に身体を使って教えて頂きました。 その真のボランティア精神は大添区の英会話教室の子供達の心に生き、二十一世紀の国際平和の使者として活動していくことでしょう。それを願い感謝の気持ちとします。
Thank you
   Very much

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