第十二回全国少年柔道大会は、五月五日に東京講道館にて開催され、本村の読谷少年柔道クラブ (新垣盛雄監督)が沖縄県を代表して出場した。
各都道府県の覇者が集った全国大会では、読少柔道クラブは団体戦と個人戦に出場。団体戦が二年連続ベスト16に進出。個人戦では喜屋武元気君(渡慶次小)が見事に優勝。全国制覇を成し遂げる快挙を達成しました。
読少クは全国チームの中でも大型選手が揃っていることから試合前の監督会でも注目を受け、優勝候補としてランク。団体戦は全国制覇を目標に据えて試合に望んだものの徹底してマークされ、対戦チームからは組み手をさせない引き分け戦法に合い二対一で三回戦で涙をのみました。だが、前年度大会でのべスト16の成績は達成。
また、個人戦には六年生の部に仲宗根英君(渡慶次小)。五年生の部に喜屋武元気君がエントリー。仲宗根君は二回戦を突破して三回戦まで進出し、よく健闘しましたが惜しくも敗退しベスト16。しかし、喜屋武君は一回線から五回戦までの全てを多彩な技で一本勝ち。決勝戦は鹿児島の竹ノ内栄二君との対戦。喜屋武君が終始攻勢に転じる試合展開となりましたが惜しくも時間切れ、結果は判定に持ち込まれました。観客やチーム仲間がかたずをのみながら判定を見守る中、審判員の旗が一斉に喜屋武君の勝利(優勢勝ち)を告げた。この瞬間、喜屋武君の全国制覇、少年柔道日本一が決定。館内から大きな拍手が喜屋武君に浴びせられた。この優勝決定の瞬間、童顔の喜屋武君の顔も涙でしわくちゃになり、新垣監督の胸に飛び込んだ。愛弟子の優勝に新垣監督は「泣くな!」と一言やさしく声をかけ、また、チームメートからも口々に「良かったね!」と祝福を受けました。
全国少年柔道大会でのデッカイ土産をもって読少柔道クの子供達は五月七日に帰沖。十一日の午後には新垣監督と照屋清勝コーチ、喜屋武親子らが役場を訪れ優勝報告。その中で新垣監督は「団体戦では願わくば決勝まで進出したかったが対戦相手は当初から体格を意識してこちらの思うような試合をさせてもらえなかった。子供達はまだ小学生。私は正攻法の柔道しか教えてなく優勝は出来なかったが目標の団体戦二勝(ベスト16)は達成出来た。この悔しさをバネに子供達には大きく成長してほしい」と語り、更に「個人戦の喜屋武君の優勝は大きな励みになると同時に一つのきっかけになる。子供達がやれば出来るということを経験し、これからも精進していくための糧になる。来年も頑張ります」と力強い抱負を述べました。
また、少年柔道日本一を輩出した渡慶次小学校(知花功雄校長)でも五月十三日午前、全体集会を開催して全児童生徒を前に、全国制覇を果たした喜屋武元気君の優勝報告などが行なわれました。
元気君が少年柔道日本一になったことで喜屋武夫妻は「柔道を習ったお陰で忍耐と辛抱強さを覚え、性格も明るく礼儀正しい子になった。今回の優勝は一人だけの力ではなくみんなの力で達成出来たもの。そういう一緒になってくれた仲間って有り難いと思った。元気には浮かれた気分にならないよう前進してもらいたい。将来のことについては本人の意思に任し、理解ある人々の協力に感謝したいと思います」と応えていました。
喜屋武親子はスポーツファミリー。父の宏和さん、母の京子さんともバレーボール選手として知られ活躍中。宏和さんは県代表選手として何度も全国大会に出場し、読谷クラブに所属して全日本クラブカップ大会での準優勝を経験。また、京子さんもすみれクラブの一員としてママさんバレーで県大会を制覇し、全国大会に派遣されるなどして素晴らしい活躍を見せている。