幼児や小学生をもつお父さん、お母さん、保育所の保母らを対象に佐藤宗夫日本福祉大学講師による「子供の心を育てる読みきかせ」の講演会が七月十八日夕、村中央公民館にて催され、参加した約二五〇人の聴衆をうならせました。
これは、今、子どもを取り巻く環境を考えるとき、テレビやマンガ、ファミコンゲーム遊びなどで学力問題など心配の種が尽きず、このことから”子どもの本の世界”の素晴らしさを伝え、子育てにおける本との出会い「読み聞かせ」の大切さを知って頂くことを目的として、役場厚生課が佐藤講師を招聘して開催されたもの。
自らの保育の中の絵本の実践と研究を通し、また、具体的な事例を紹介しながら講演する佐藤講師は「幼児教育(絵本教育)は赤ちゃんのときから始めることが重要。幼いときから骨組みをしっかりつけることが必要で心の成長にもつながる。子供は本を読むことが好きで、子供の手の届くところに本を置いておくと自然と本を読む。心に栄養を与え、本を見せ読むことによって子供は変わり情緒豊かになる。心身ともに子供を育てる環境づくりが親の責務である。子供は生活体験で絵本を読み、絵本は想像の世界である。親が音(声)を出して読み聞かせすることが大事です」と語り、また、自らの戦争体験にも触れ「戦争時代は、本を読む自由がなかった。今は本を読める自由がある。戦争の恐さ、平和の尊さをしっかりとかみしめ、小さい頃から子供の心を育てるために自由な意思で本を読んでほしい」と強調して講演を終え、会場からは惜しみない大きな拍手が沸き起こっていました。
佐藤講師の素晴らしい講演に、岳原宜正教育長は「人生は心を育てることが大事。日本中を駆け巡り、夢と心に感動を与える講演に幼児教育の確信を得ることができました」と感謝の言葉が述べられ、また、子供連れの親子を含め、参加した多くの保母さんらは、佐藤講師の講話に熱心に耳を傾けてメモを取るなど、関心の深さが伺われました。
読書をすることは、豊かな情操を育て、豊かな知識を得、ひいては人間性の育成につながることは言うまでもありません。本の大切さをより深く認識しましょう。