【見出し】第三次振計の中における読谷村の「むら」づくりの大きな動き!(1)復帰後・20年間のむらづくり(2)第三次振計と読谷飛行場の問題解決(3)役場庁舎等の建設と読谷飛行場地域の位置づけ 【写真:1】(4)先進集団農業地区の形成(5)大木土地区画整理地区の整理(6)むすび
沖縄は一九七二年五月十五日、戦後二七年間の長期にわたる米軍の占領・統治に終止符を打ち、祖国日本への復帰が実現しました。
去った五月十五日を中心に復帰二〇周年記念事業が多彩に開催されました。
沖縄は、去る大戦において日本で唯一地上戦が行なわれたところで、その状況は”鉄の暴風”などと表現されたように苛烈なものであり、戦禍については筆舌に尽くしがたいものがありました。
大戦による戦禍と、戦後二十七年間の米軍の占領・統治などによる本土との隔絶は、道路、学校、農業基盤および公園など社会資本の整備を始めとするいろいろな面での遅れが生じました。 この遅れを取り戻すために復帰後、沖縄振興開発特別措置法に基づき、これまで二次(二十年間)にわたる沖縄振興開発計画が策定この間読谷村は、教育諸条件の整備、地域文化振興に関する施策、農業基盤の整備、農業構造改善事業の推進、畜産業の振興、漁業の振興、商工観光の振興および伝統工芸の振興等産業経済の振興に関する施策、総合福祉センターを基盤とする社会福祉増進のための施策、道路、公園、住宅、下水道等の整備や消防力の強化など生活環境の整備に関する施策等、安全で明るく住みよい村づくりを進めてきました。
(2)第三次 振計と読谷飛行場の問題解決
沖縄では、これまでの二次にわたる沖縄振興開発計画による本土との格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備を目標とした諸施策の実施が図られてきました。
しかし、広大な米軍施設・区域が存在するという、沖縄の持つ特殊事情は依然として厳しく、格差の是正や自立的発展の基礎条件の整備も十分とは言えない実情にあります。
この実情を踏まえ、政府は九月二十八日、一九九二年度を初年度とする二〇〇一年度までの、今後十年間の沖縄県の振興策を示した第三次沖縄振興開発計画を策定しました。計画は、「格差の是正」、「自立的発展の条件整備」という従来の目標に「広くわが国の経済社会および文化の発展に寄与する特色ある地域として整備」ということが加えられ、沖縄県の役割が明記されたのが特徴となっています。
読谷村にとっては、この第三次沖縄振興開発計画は大きな意義をもったものとなりました。それは、計画の総理大臣への最終答申を前に、九月二十八日開かれた第三十回沖縄振興開発審議会で、同審議会総合部会の川村皓章部会長は、「読谷飛行場跡地の有効利用については、その速やかな実現に努めること」との意見を「部会報告」の形で口頭で申し入れがあったということです。
県の計画素案の中では「読谷飛行場地域等の返還跡地の有効利用を促進する」と明確に記述されていましたが、「個別の事案を盛り込むのは本論になじまない」との理由から、政府計画の中で固有名詞は削除されましたが、しかし、「読谷飛行場地域等」の表現の代わりに、中曽根康弘・宮沢喜一両首相の読谷飛行場問題に関する国会報告及び国会答弁の内容である「地元の跡地利用計画を尊重して、諸施策を進める」という記述に変わったのであります。(沖縄開発庁より報告あり)このことについては、残念なことですが、総合部会の関係者をはじめ、県の強い要望、読谷村長並びに読谷村議会議長連盟による
【第三次沖縄振興開発計画策定に向けての『読谷飛行場地域等の返還跡地の有効利用の促進』に関する要請】などにより、前述の部会長報告という形になりました。実質的には、読谷飛行場跡地の有効利用の促進が行なわれることを意味するものであり、大変勇気づけられるものであります。
読谷飛行場のもつ問題はその経緯から、複雑であり幾多の困難さを含んでおりますが、関係者はもとより村民みんなの相互理解のもとに、村民の英知を結集して、この第三次沖縄振興開発計画の十年間を最終ラウンドとして認識し、全面解決に取り組む必要があります。
(3)役場庁舎等の建設と読谷飛行場地域の位置づけ
読谷飛行場地域は読谷村の中央部に位置しており、東に国道五八号、南に県道六号、北に十二号線が走っております。これまでに、総合福祉センター、伝統工芸センター、運動広場、野球場、多目的広場等が建設されており、すでに全村民が通い合う村民活動の拠点となっております。 二十一世紀の読谷村の諸活動の拠点となるこの場所に、役場庁舎と村民センター等の建設準備を進めていくことになります。
現在の役場庁舎は一九五六年に建設され、その後、増改築が行なわれてきましたが、建物の老朽化が進み、駐車場も狭く、村民への不便とご迷惑をおかけしている状況であります。
一九九一年九月に読谷村庁舎建設委員会からの「庁舎建設基本構想」の答申を受け、一九九六年を目標年度とし、読谷飛行場地域に役場庁舎と村民センターを建設する計画をしているところであります。
これまでに建設・整備された各種施設に加え、現在準備が進められている役場庁舎及び村民センターが建設されることにより、読谷飛行場地域におけるこの一帯は村民の諸活動の拠点として位置づけられ、整備が図られていくことになります。
将来構想としては、福祉活動の場、村民の健康づくりの場、スポーツ振興の場(読体協及び歴代体協会長よりの要請もある)、芸術・文化に親しむ場、憩いの場、経済活動の広場等々、多面的に整備が行なわれ、緑豊かな公園及び村民活動の拠点形成が進められることになります。
(4)先進集団農業地区の形成
読谷飛行場地域におけるもう一つ重大なことは、先進集団農業地区の形成です。幹線農道や支線農道、防風林帯を整備し、亜熱帯性気候という地理的有利性を活用した百七十㌶のほ場における現代的な生産経営組織による事業展開を目指すものです。即ち、読谷紅イモや花卉園芸を中心に”黄金の花咲くむらづくり”の拠点形成を目指してまいります。
(5)大木土地区画整理地区の整理
大木バス停付近から古堅小学校入口付近までの北側部分約二十二㌶については、大木土地区画整理地区として住宅地区と商業地区の整備が図られるところとなります。特に、この地区は商業・文化・観光等を総合した民間活動の拠点地区を目指すものです。
(6)むすび
第三次沖縄振興開発計画の期間にあっては、今日まで進めてきたいろいろな施策の継続実施とともに、読谷飛行場の問題解決という大きな課題も加わってきます。
読谷飛行場問題は、戦後処理事案の大きな問題であり、その解決はこれまで述べてきたように、まさに、全村民的な課題であるといえます。
村民みんなが相互理解のもとに英知を結集し、理解と協力の下に問題解決に向かって取り組んでいかなければならない歴史的な大きな仕事であります。
すべての村民のご協力ご指導を心からお願い申し上げます。