本村の特産品「紅いも」を加工し、より付加価置の高い農業経営を目指そう-と、読谷村農業協同組合(比嘉栄輝組合長)では、「読谷農協紅いも加工センター」(約七十㎡)を農協経済事業所敷地内(波平一六九六番地)に建設中であったが、同施設の機械設備や内部工事が完了したのに伴い、十一月二日午後、同センターの落成祝賀会を盛大に催しました。
落成祝賀会には、生産者を始め、農協職員、役場関係課職員、商工会や株式会社ユンタンザなどから約二百人余が招かれ、加工センター開所のテープカットを挙行。オープンセレモニーの後に施設視察が行なわれ、関係者は施設内部の紅いも加工に関わる機械設備の説明を受け、その加工工程に大きな感心を寄せていました。
加工に伴う主な工程は、自動芋洗い・皮むき機→蒸し機→裏ごし機→ミキサー→定量充填機→真空包装機などで、紅いもをペースト状(練り状)に製造処理して冷凍保存するシステム。稼働力は日量七百㎏が生産可能という。
祝賀会では、農協婦人部が紅いもを活用した手作りのお菓子類や寿司など紅いも料理を準備。また、アイスクリームやゼリーなどの紅いも新商品で参加者をもてなした後、式では、比嘉組合長が「紅いもの生産は年々上がっており、加工センターの完成で価格と安定供給が確保でき、安全健康食品として販売できる。期待に添うよう頑張っていきます」とあいさつ。安田慶造助役は「加工センターを中心として生産体制の確立を図り、長期的な展望と対外的に拡大していく目標をもって、紅いもペーストの販路拡大に取り組み、大きく発展して頂きたい」と激励の祝辞を述べました。
紅いもペーストを活用したお菓子類などは、既に商工会を中心として商品化に成功しており、生産農家や農協などでは「生産過剰による紅いも価格の値崩れが避けられ、高い付加価値により生産農家の所得向上が図られる」と大きな期待を寄せ、また「株式会社ユンタンザを始め、学校給食への普及。県内企業などへ販売することによって流通経路を開拓し、採算ベースに乗れば近い将来、役場などとタイアップして大規模工場を建設したい」とますます意欲を見せている。