【見出し】民家にパラシュートが落下 度重なる事故に村民激怒! 【写真:落下事故で現場は一時騒然となる】 村議会が怒りの抗議行動! 【写真:那覇防衛施設局に激しく抗議する】 施設局が「返還実現に向け努力」米軍司令官が陳謝 【写真:米軍司令官が役場を訪れ「陳謝」する】村民一丸となって演習場を撤去させよう!】
平和を希求する村民の声を無視し、一九八四年三月にトリイ通信施設に強行配備された闇の軍団とも、悪魔の部隊とも呼ばれる米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)。このグリーンベレーが強行配備されて以後、読谷飛行場でのパラシュート降下演習も激化の一途をたどり、演習に伴って事故も多発。そして今回、またしてもパラシュー事故が引き起こされ、村民を恐怖のどん底に陥れた。
度重なる事故に村民激怒!
十二月二十二日、午前七時五十分、児童生徒の登校時間帯に事故は発生した。しかも今回の事故は米軍が演習開始通告時間(午前八時を無視してパラシュート降下演習を強行。そして三回目の降下時に事故は発生。住民地域の上空を騒音を巻き散らして旋回するヘリから同時に降下した米兵四人の内の一人が、「演習やめろ」と抗議する村民の頭上をかすめて大添区(楚辺一二七九の二八、東恩納ハツ子さん宅)に落下したのである。
現地で抗議していた村民は、事故発生と共に一目散に事故現場に急行。ところが、事故を起こしたにも関わらず、米軍MP隊に警護され、今にも現場からパラシュートを抱えて逃げようとする米兵の態度に村民は激怒。米兵の行く手を阻み、現場は一時騒然とした様相を呈して米軍と村民とが対時。現場には一発触発の緊張感がみなぎったが、嘉手納署の速やかな対応で現場検証が行なわれたため、一応混乱は回避された。
しかし、米兵が落下した場所は住民地域であり、しかも県道六号線の間近。児童生徒が登校中の出来事だけに、一歩間違えば人身事故にもつながりかねず、事態は重大。今回の落下事故で、改めてパラシュート演習の危険さ、米軍の横暴さ、演習のルーズさが浮き彫りにされたと共に、復帰二十年を迎えた今日でも、占領意識丸出しで傍若無人に振る舞う米軍の姿をまざまざと露呈した。
村、議会が怒りの抗議行動!
事態を重視した村では、安田慶造助役を先頭に、直ちに部課長会議を開き、事故発生の報告を行なうと共に対応策を協議。午後に那覇防衛施設局への抗議行動を展開することを決定。また、村議会(儀保輝和議会議長)でも十時から緊急議員全員協議会を召集して今後の対応を検討すると共に、落下事故現場を調査。そして午後一時には臨時議会を開き「読谷村議会は村民の生命、財産を守り、快適な生活環境を築くためにも落下傘降下演習場の撤去と米軍用地からの開放を求める」ことを内容とした抗議および演習場の即時撤去を求める意見書、決議文を全会一致で採択。その後、議会と村民代表ら三十人は那覇防衛施設局へ抗議行動を展開し、落下事故への抗議と演習場の即時撤去を訴えた。
施設局が「返還実現に向け努力」米軍司令官が”陳謝”
読谷村の抗議団に対し、那覇防衛施設局では菊本修事業部長が応対。菊本部長は「米軍に徹底した調査と演習の見直しを求め、返還実現に向け鋭意努力する」と回答した。
また、民間地域へのパラシュート落下事故の連絡を受けた上京中の山内徳信村長は、二十四日に外務省と防衛施設庁を訪れ、落下事故に抗議するとともに訓練の即時中止、演習場の撤去を強く申し入れた。
二十八日午前、在沖米陸軍第十地域支援軍のジェイ・S・ラッセル司令官が落下事故に対する陳謝のため来庁。ラッセル司令官が「住民地域への落下を深くお詫びする」と謝罪された後、山内村長は「読谷飛行場はパラシュート訓練には不適当な場所ということで日米合同委員会で移設合意(一九八○年)されてから十三年目になるのに未だ実現してないのは日米両政府の怠慢だ」と強調した上で「演習場の撤去は村民の総意。本土にもアメリカにもここのように住民地域の真ん中に訓練場があるのはどこにもない」と強く抗議し、演習場の撤去と文書による回答を申し入れた。これにラッセル司令官は「撤去については私の権限外だが、村からの要求があったことは在日米軍司令部などに報告する」と答え「謝罪の文書は早期に村へ提出する」と約束した。
村民一丸となって演習場を撤去させよう!
だが、米軍はこれまで何回再発防止を約束してきたか。それでも事故はなくならない。それは、米軍の規律の問題だけではなく、狭い地域での訓練そのものに問題がある。このような状況が続けばいつかは惨事につながりかねない。
私達は、自らの生命、財産を守るため、米軍パラシュート降下演習に断固反対し、読谷飛行場の返還に向け毅然とした態度で望み、二十一世紀への平和な村づくり運動を進めましょう。