-亡き父の蔵書を贈ることが郷里のために役立つだろう-と、
本村の第十代村長・松田平昌氏(故人)の長男・松田勲氏(那覇市識名三丁目十五ー二十二番地・読谷村楚辺出身)が十二月九日午後、村立・歴史民俗資料館を訪れ、故・平昌氏が生前収集した収蔵図書五五〇冊余を寄贈しました。
これは、昨年の七月、読谷村の政治、経済、教育、社会その他各般にわたって村政の発展に寄与し、村民の模範と認められる行為があった者を表彰する「第一回読谷村功労者表彰式典」での受賞(故・平昌氏)を記念して贈呈されたもの。
贈呈式には、山内徳信村長をはじめ、岳原宜正教育長、名嘉真宜勝文化振興課長ら関係者が出席する中、遺族の勲氏から「古琉球」などの歴史民俗関係図書の目録が贈呈された後、勲氏は「父の受賞記念のお礼に、郷里のために何か役立つものはないかと思い、父が生前収集した琉球に関する資料や文献集を資料館に贈ることが文化村・読谷に一番ふさわしいと考え寄贈しました。村の皆さんが大いに利用して下さい」とあいさつ。また、山内村長は「寄贈の知らせを受けたときはとても感激した。村政に全力を投球をして頂いた故・平昌氏は郷里を大事にしていた先生。読谷を訪れるときには必ず”頑張っているか”と声をかけていただき、手本とすべきお父さんだった」と平昌氏との生前の思いでを語り、「戦後の荒廃した読谷村を血のにじむような思いで再建した諸先輩の労苦に報いるためにも、寄贈された貴重な文献は大事に活用していきたい」と感謝を述べました。
尚、寄贈されました蔵書は「松田平昌文庫」コーナーとして資料館内に併設されました。
松田平昌氏 略 歴
明治32年 明治32年9月13日読谷山村字楚辺に生まれる
(1899年)
大正9年 大正9年から昭和20年まで教職
(1920年)
昭和20年 昭和20年9月石川市会議員に就任
(1945年) 昭和21年石川養老院長
昭和21年 昭和21年4月9代読谷山村助役に就任
(}946年) 昭和23年2月 同 退任
昭和23年 昭和23年3月10代読谷村長に就任
(1948年) 昭和25年8月 同 退任
昭和56年 昭和56年7月19日死去(享年81歳)
(1981年)
平成4年 平成4年7月1日第1回読谷村功労賞
(1992年) (村政功労)受賞
〔功績〕
戦後の混乱期の下、昭和23年3月から昭和25年8月の間、本村10代村長として荒廃した 郷土の再建、教育の復興並びに読谷高等学校の設立等にご尽力なされ村政発展に貢献 された。