平成五年二月十日タ、村総合福祉センターにおいて読谷村商工会の『琉球新報産業活動賞受賞祝賀会』が開催された。
これは琉球新報社が「一隅を照らすものは国宝である」という理念のもとに、毎年県内の教育、社会、産業等に活躍した個人や団体を表彰するもので今回で十五回目を数える。今回は、二個人と二団体が決定され、去った一月二十三日、琉球新報社において贈呈式が行なわれた。
読谷村商工会ではこの受賞は、村当局をはじめ、村議会、村農協、村漁協、そして区長会や婦人会等の各種団体並びに村民のご支援とご協力の賜であり、この喜びをみんなで分かちあうために、地元での祝賀会を開催することとなった。
祝賀会には、村内外から関係者約二五〇人が出席し、受賞の喜びに浸っていた。
また、来賓の中から親泊一郎琉球新報社長、山内徳信読谷村長、儀保輝和読谷村議会議長が、商工会のこれまでの活動を評価するとともに今後の活躍を期待する旨の祝辞を述べた。
ところで、読谷村商工会の受賞までの経過を簡単に以下にまとめてみる。
昭和五九年、読谷村商工会は独自の地域ビジョンを策定し、それに基づいてむらおこし事業を実施。
特に特産品づくりについては、紅いもをテーマに多くの和洋菓子を開発し、紅いもシンポジウムやホクホク討論会等を開催して話題を提供。さらにマスコミとの協力体制の中で、ユンタンザむらおこし物産展を継続的に実施し、加工品の販路拡大に努め、他方、いも博士といわれる梅村芳樹氏を北海道から招いて紅いもの植え付けから加工、料理、販路までを含めた講習会を開催し、生産性向上に寄与する等徹底して紅いもにこだわって地域づくりを実施。
さらに、平成四年三月村民出資のむらおこし会社㈱ユンタンザを設立。地域づくりの永久的な組織のもと、新たな地域づくりに着手。紅いもの全国展開を目指して取り組んでいる。
このような地道な活動が認められ、今回の受賞に繋がったものである。
祝賀会のあいさつの中で大城勝哲読谷村商工会長は「昭和五九年からおよそ九年間、途切れることなく、息切れすることなく紅いもにこだわり、役場、農協、漁協、村民ぐるみの地域づくりを展開したことがこの度の受賞に繋がった。”継続は力なり”ということばを実感し今後とも商工会の地域における責務を認識し、地域づくり運動を推進していきたい」と結んだ。
商工会事務局長・西平朝吉