核家族化などにより赤ちゃんと接する機会の少ない現代っ子に、赤ちゃんとのふれあいを通して生命の尊さを実際に肌で感じてもらおうと、村環境保健課では一月二十九日午後、中央公民館において「高校生と乳児のふれあい体験学習」を催した。
これは、市町村母子保健メニュー事業「思春期における保健・福祉体験学習事業」の一環として開催されたもので、この体験学習が実践されたのは県内では本村が初めて。そして、このふれあい体験学習には読谷高校家政科(真喜屋則子教諭)とのタイアップのもと、家政科の女高生(三年生二十一名)が参加。
女生徒らは保健婦によるオリエンテーションでふれあい学習の趣旨や基礎知識、赤ちゃん人形を使った実技(抱っこの仕方や注意点)を学んだ後、自身の手をきれいに洗浄してから乳児相談に訪れた母親らの乳児(四ヵ月児)を抱きあげ赤ちゃんの抱っこを体験。当初、生徒達は遠慮がちに赤ちゃんを眺めていたものの赤ちゃんの可愛い笑顔に誘われるままに手を差し伸べ緊張気味に抱きかかえた。抱っこするうちに次第に赤ちゃんをあやす仕草にも慣れ「たか~い高い」をする生徒、ほうずりやおでこをふれあう生徒など、その表情は未来の母親を彷彿させ、ほのぼのとした雰囲気が室内に伝わり、抱っこされた赤ちゃんもまんざらでもない様子で嬉しそうに女生徒の腕の中ではしゃいでいた。
村の方針に共鳴し、体験学習を実践した真喜屋教諭は「現代は赤ちゃんとふれあう機会のないままに母親になることが多く、学校では保育授業の一環として人形を使っての授業をしているのが実情。しかし理論学習だけでなく体験を通して将来の母親を育てるのは必要なこと。生徒達が今日の体験から得るものはとても大きいと思っています」と述べ、参加した生徒らは感想を「落としそうで緊張した」、「ちっちゃくてとても可愛かった」、「初めて抱っこしてみて重かった」、「少し暴れたが赤ちゃんは喜んでいた」、「命の誕生ってすごいな~と思った」、「いい体験の場ができ次も機会があれば参加したい」などと話し、また「早く母親になりたい」との声も聞かれ、女性心を覗かせていました。
その他にも会場には、生命の誕生までの模型人形や説明パネル、乳児の離乳食実習の講習会なども行われ、初の「ふれあい体験学習」に生徒達は真剣な眼差しで取り組んでいた。