読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1993年4月発行 広報よみたん / 8頁

※続き。

 地域福祉計画の策定については、県の指定を受け、現在社協の中で小委員会を設け、多岐にわたる福祉分野の現状と将来の指標について検討中であり早い時期に策定してまいります。
 さらに、この世の中には障害者並びに社会的弱者、健常者がおり、お年寄りと若者、男と女が生存しております。これらは互いに助け合い、支え合って生きて行かなければなりません。その仕組みをつくりあげていく事業がボラントピア事業であり、社協と相提携して進めてまいります。
 重度身障医療助成事業も村民からのニーズが高く、本人はもとより家族を含め大きな生活の支えとして役立っており、その活用を更にはかってまいります。また、身体障害者の措置事務移譲に伴う諸手続きの迅速化とサービスの充実に努め、独自の巡回相談や訪問診査を含め県ともタイアップして進めてまいります。
 精神薄弱者(児)福祉については、読谷かりゆし学園及び授産施設読谷福祉作業所の運営に補助し、かつ父母の会の活動強化とボランティアヘの活動を支援しつつ強化してまいります。特に、読谷かりゆし学園の法人化に向けて父母の会を中心として活動が力強く展開されており、その実現に向けて努力いたします。
 次代を担う児童が心身ともに健やかに成長することは、すべての人々の願いであります。近年、児童をとりまく環境もめまぐるしく変化し、高齢化社会、女性の社会進出とともに保育へのニーズは増大し、その内容も多様化しています。一人びとりの主体性と可能性を育み、特別保育事業や講演会などを計画しつつ、障害児保育も積極的に推進してまいります。併せて、障害児母子通園保育事業所「ふくぎ」への運営補助も継続してまいります。
 母子寡婦福祉への取り組みは、昨年母子会との連携の中で若年母子の組織加入を促してまいりました。複雑な時代的背景の中で若年母子の増加、経済的基盤の弱さ、子供の健全育成など多くの問題を抱えていることもありますが、今後とも活動内容の充実に努めてまいります。
 民生委員・児童委員協議会が果たしている役割は多岐にわたり、且つ大きなものがあります。昨年一二月一日より四〇人が厚生大臣の委嘱を受け、中でも一〇人の新委員が誕生しております。地域福祉で行政と村民のパイプ役となって頑張って頂いております各位に感謝するとともに今後とも活動支援をはかってまいります。
 近年、健康づくりへの関心が急速に高まってまいりました。健康こそが人生を全うする上で最も重要なことであり、一番の喜びであります。これまで健康づくりの意識高揚をめざし開催してまいりました「健康づくり村民のつどい」を今年度から事業拡大し「健康週間」として実施してまいります。従来の村民の集いはもちろん、各種社会体育施設の開放などで健康づくりをアピールする事業を盛り込み、更なる意識向上をはかってまいりたいと思います。
 また、病気の早期発見をはかるため住民検診の受診を促進し、村民の健康状態の把握に努め、事後指導の強化をはかってまいります。デイケア活動については、懸案でありました精神療養者家族会が結成され、その助成をはかると同時に療養者の福祉向上と社会復帰を促進し、併せて家族等の精神的健康の保持向上に努めてまいります。さらに、母子保健事業の推進や予防接種等の予防事業も診療所との連携のもとに継続実施してまいります。
 村民の健康管理センター的な診療所の役割は大きく、他の医療機関との連携を密にし、疾病の早期発見・早期治療を促進してまいります。

(4)生活環境の整備に関する施策

 本村は農村としてのたたずまいと都市的な環境を併せもち、豊かな住環境を形成しております。村土は、村民の生活環境と深い関わりをもち、自然環境と人間との調和のとれた秩序ある開発を今後も推進して行かなければなりません。
 村民が健康で文化的な明るい生活を営むための生活環境の整備は、生活様式の変化に対応しつつ中長期的な視点から諸々の施策をとりいれ、潤いのある生活空間を創出することが大切であります。その施策は快適性、利便性、文化性を帯びた住環境の整備をめざし上水道、下水道、道路、公園、住宅等都市基盤の整備と、安全で明るく衛生的であると共に緑と花に包まれた環境づくりがあげられます。そこで、今年度は次のような施策を実施してまいります。 上水道は人間が健康で文化的な生活を営む上で欠かすことの出来ない基盤施設であります。本村の水需要は人口の増加、社会環境の変化、生活水準の向上などにより年々増大しております。
 このような状況のもと「よりおいしい、より安全な水」を確保し、安全給水体制の強化をはかることが重要であり、これまでの送配水管施設整備計画に基づき基本施設として県企業局の読谷調整池の整備、配水管布設工事を実施してまいりました。今年度は昨年度に引続き北部地域への自然流下方式への移行のための座喜味配水池の整備に伴う配水管布設工事や楚辺地内公共下水道整備事業に伴う配給水施設の布設替え等の工事を実施してまいります。また、財務会計の電算化をはかりより効率的な経営に努めてまいります。さらに、共同住宅における新しい料金算定方式として連合用制を実施してまいります。
 道路は、快適な社会生活を営む上で骨格をなすものであり、欠くことの出来ない社会資本として重要な役目を担うものであります。今年度は新規事業として座喜味一三号線、大湾五号線を整備してまいります。また、継続事業として残波線と大湾四号線を整備し、日常生活に密清したコミュニティー道路の整備も進めてまいります。
 排水路の整備につきましては、渡慶次地内排水路整備事業を新規事業として進めてまいります。
 下水道の整備につきましては、川や海を守り、豊かな住みよい生活環境を創り出すための欠くことの出来ない根幹的な都市施設整備事業として平成二年度より楚辺地内で事業が進捗中であります。昨年度は約一〇、○○○メートルの下水道管(管渠)の設計業務と約三、五〇〇メートルの下水道管の敷設工事を実施致しました。今年度は引き続き約五〇〇メートルの敷設工事と処理場の工事を予定しているところであります。処理場につきましては、処理槽二基の設置工事を今年度で実施し、次年度以降で管理棟、外溝工事を実施して行く予定であります。
 公園の整備につきましては、これまで児童公園一三ケ所、総合公園ニケ所を継続的に整備し、村民の憩いの場として活用いただいているところであります。今年度も座喜味城跡公園及び残波岬公園を継続的に整備し早期完成をめざしたいと思います。また、昭和六三年度から計画を進めておりました比謝川沿岸整備事業もいよいよ今年度より着手致しますが、なお周辺の動き等を勘案しながら当面、泊城公園整備事業を推進してまいります。
 さらに、長年の懸案でありました急傾斜地崩壊対策事業が今年度から実施されます。楚辺大添区に連なる急傾斜地に対し全長約七〇〇メートルにわたり急傾斜地崩壊危険区域の指定を受け実施設計が行われます。
 住宅地域の環境整備につきましては、今年度で九年目に入る喜名地区移転先地公共施設整備事業を継続実施してまいります。
 交通安全、防犯対策につきましては、道路反射鏡、区画線並びに防犯灯の設置を継続実施してまいります。社会の変容に伴い車の利用が多くなり交通事故等も多発しております。そこで交通安全運動を推進すると共に学校、職場、地域を網羅した普及啓蒙活動を展開してまいります。
 消防行政につきましては、村民の生命と貴重な財産を守り村民が安心して日常生活を過ごすことが出来るよう消防機械器具及び消防水利の整備や人的消防力の内容充実に努めてまいりましたが、今後も経済社会の発展と共に複雑多様化する災害に対処できるよう消防力の整備強化をはかってまいります。今年度は小型動力ポンプ草付水槽車を同Ⅱ型に更新すると共に、消防水利整備事業として進めております消火栓整備事業も継続し、消防力の強化をはかってまいります。 環境衛生につきましては、家庭から排出される生活ゴミの収集処理をはじめ、し尿の広域処理、火葬業務、野犬対策、衛生害虫の駆除及びそ族昆虫の発生源対策を継続実施してまいります。 ゴミは生活水準の向上に伴い毎年増加傾向にあり、村民の分別収集への協力を得て、燃えるゴミについては嘉手納町美化センターに於て焼却処理を実施してまいります。また、ゴミ焼却処理を円滑に行うため分別収集の指導と村指定のゴミ袋使用の徹底をはかります。さらに、今年度から資源ゴミ集団回収報奨金を交付すると共に、その保管施設を設置してゴミの減量化と再資源化に努めます。また、近い将来、読谷・嘉手納両町村でゴミ焼却処理工場建設を計画しておりますが、今年度はその実現に向けて、一部事務組合の設立準備を進めてまいります。
 しかしながら、ゴミ問題は行政の責任だけで解決するものではありません。企業、地域、各家庭で減量化、再資源化、再生利用等に取り組むことが必要であります。また、現在地球環境問題の解決が人類共通の課題になっており、市町村や住民レベルでも環境問題に対する取り組みを日常的に高めていくことが重要な課題になっております。昨年第一回環境自治体会議が北海道池田町で開催されましたが第二回環境自治体会議が南の沖縄県読谷村で開催されることが大会決定され、その準備を進めてまいります。今後も村民の深いご理解とご協力をお願い申し上げます。

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