本村の伝統工芸「花織」は、読谷山花織後継者育成事業によって後継者が育成され、これ迄に花織に携わった方々は約三百人にものぼり、本村の伝統技法は着実に継承されています。
その後継者の育成には読谷山花織事業協同組合(島袋安子理事長)が毎年、「後継者育成講習会」を開設して花織の技能普及に努めています。平成四年度の講習会は昨年七月に開校。講習には研修生八名が入校し、以来約六ヵ月余にわたり花織の理論や工程、染色の基礎講座、織りの技法などを学び、長期の講習期間を経て花織技法を習得。受講生は全員が晴れて終了式を迎えました。
三月二十二日午前、伝統工芸センターにて終了式は行なわれ、島袋理事長から受講生一人ひとりに修了証書が授与されました。式では島袋理事長が「長い間よく頑張ってこられたのは皆さんの努力のたまもの。これからは子育てをしながらも家内職として安心して花織に専念できると思います。花織を織るということは青少年の健全育成や子供の情操教育にも繋がります。年々素晴らしい作品が出てきており、皆さんも地域に返ってますます頑張ってほしい」と終了生を激励。また、終了生らは異口同音に「何度もやめようかと思った。しかし、理事長や講師、家族の励ましや協力で頑張ることが出来、終了証書を手にすることが出来た。花織を仕上げた時の満足感は言葉で言い表わすことは出来ず、花織を受講してよかったと思っている。理事長や講師に心から感謝しています」と話し、新垣澄子講師にはお礼の花束が贈呈され、講習を終えた終了生の目には一様に感激の涙で潤んでいた。
証書を授受した終了生らは懇談の中で「一日も早く織りあげて販売につなげたい。自分の織り上げた作品(花織)が消費されることによって世の中に認められることになり、一生懸命に織っていきたい」と意欲を見せ、また、同席した役場経済振興課の比嘉新常商工観光係長は「花織のことは伝統工芸として教材(小学五年生)でも紹介されるようになり全国各地においても広まり、県外から読谷を訪れる人々も増えている。役場も側面的に協力していきます。今日、講習会を終了した皆さんも是非頑張って頂きたい」と激励。その後、終了生らは島袋理事長らと共に講習会での思い出話に華を咲かせていました。
募集
平成五年度の
「後継者育成講習会」は、七月から開校されます。
申し込み受け付けば六月から行なわれますので、応募希望者は伝統工芸センター内「花織事業協同組合」
(■九五八ー四六七四)
にお問い合わせ下さい。
お母さんへの
表 彰 状
お母さん!
そつぎょうおめでとう。
八ヶ月は「あっ」というまにすぎてしまったように感じます。
最初のころ、花ういっていうものはとってもたいへんな仕事だと思っていました。
だけど、お母さんがあの花ういのことを話すときの笑い顔が今でも頭にのこっています。
私は たいへんだけど、花ういはおうちの仕事でつかれると休みにいくところのような気がします。 糸をぐちゃぐちゃにしてたいへんだったとき、すいすいと楽に糸がまけるとき、いろんなことがあったと思います。
おうちでやるときも今までどおりがんばって下さい。
八ヵ月ほんとうにごくろうさまでした。
三月二十二日 島袋まき