子どもが生き生き活動する学習をめざして-を研究テーマに、読谷小学校では二月三日午後、「研究発表会」を開催。分科会や事例発表に素晴らしい実践報告がなされました。
それぞれの家族が様々な特色で家族というものを築きあげ、社会は成り立っています。どの家の子育てがよくて、あるいは悪くてというわけでもなく、よい家庭というものも、他人がものさしで計ることはできません。私も私自身が理想とする色、例えば緑色に染めていけるように努力しているだけです。子育ても十人十色で社会はおもしろいものだと思います。これから私が皆様にお話する”私の子育て”がどの様な形でうつるか、よい事例になるかはわかりませんが、同じ子をもつ母親として、皆様と一つでも共感できるものがあれば幸いです。
今回は、私からみたわが家という事で、少しだけ私自身の事を話させていただきます。私は二年に男の子、四年に女の子を持つ、三児の母親です。八年ほど保育園で仕事をしておりましたが、その後事務職に変わり、現在は、琉球の風スタジオパークで働いています。趣味で生け花を十三年、宜野湾市の方で習っておりますかたわら、近くの花屋で教室も持っています。それから習字も習っています。三十の手習いで六年になります。年数から言えば自分でもよく続いたと思いますが、腕の上達には首をかしげます。
自分が今やっていることを、こうして皆様に公表し、自慢しているわけではありません。私がモットーとする子育ての一つに”継続は力なり”という諺があります。そのことを子どもに教えるために私も努力し実践していると言うことを知っていただきたいからです生け花の方は結婚前から習っておりましたが、生徒を持つようになっても先生の所へいくので、子供が「お花の先生になっても、まだあんなに遠くまで習いにいくの-疲れないね。」と、よくたずねます。確かに子供にとっては、先生になったのにまだ勉強が必要なのかという疑問が湧いてくるでしょう。そこで私は、勉強には終わりがないんだということ、続けているともっとすごい事ができるということを話します。
日々の家庭生活の合間に遠くまで行くので確かに大変な事ですがでも、それは自分で好きで始めたということ、途中でやめると、今までやってきたことが無駄になる事。
「おばあちゃんになるまで続けるつもりよ」
「へ一、お母さんすごい!」
子供に教えてあげたいことは、自分が手本を示すことです。今すぐことわざの意味が理解できなくても、きっと、子供の心の中で将来生き続けていく事を信じて、私は続けています。それから習字の方ですが、子供が習い始めてから一緒に始めました。子供が頑張るのなら、同じ目的に向かって走り、共通の話題が持てればという気持ちで通い始めました。
そしてその事は、誰のためでもなくお母さんは自分自身のために習っているのだということも付け加えておきましょう。どんな習い事でも趣味でも、一度始めたことは決して途中でやめないという事も常に話しています。ですから私ももう途中でやめる事はできなくなりました。
私達親は、ややともすれば子供にだけ押し付け、期待し、要求し、大きな夢を抱いていませんか。 家庭チェックカードがありますが、子供を調べる前に、逆に子供達に、あなたの両親は勉強していますか、の質問にどれだけの子供が「ハイ」と答えることができるでしょうか。もちろん、私達は学校の勉強に関しては素人ですし、高学年にもなると子供についていけなくなります。でも、それ以外にも大人には様々な勉強があり、それを一生懸命やっているのだという事を子供に知ってもらう必要がある気がします。
子供は学校では先生から授業でいろいろな事を学び、友達から仲間づくりの楽しさ、大切さ、むずかしさ、を知り集団生活の決まり守りと、たくさんの知識を得ています。家庭では、父親、母親、兄弟そして地域からの影響も大でありどれも大事な事です。母親でひまな人はいませんね。でも皆、同じ二十四時間をもらっています。どれだけの時間子供に接していますか。
朝一番どんなふうな会話から始まるのでしょう。わが家では、自分から起きてくるという事があまりなく(特に冬は)、私の方が起こしています。第一声は歌うような感じで「おはようさ一ん、朝ですよ、起きましょう」と言うんですなんだかドラマのようですが本当のことです。一日の始まりの言葉ですから、特にやさしくかわいい声で起こします。朝食は主人がゆっくりなので、子供達が先に食べます。この間、私も一緒に食卓に向かい合って座っています。そして出かけるとき、子供達は「いってきます」のあいさつ、私は「いってらっしゃい。今日も一日がんばってね。」と声をかけます。今の仕事につくまでは、散歩がてら子供達と学校まで一緒に歩いていっていました。二十分ほどかかりますが、その間いろんな話ができるんです。朝の貴重な時間ですがその何倍もの心のゆとりができます。また、続けたいものです。
学校から帰ると私も居ませんので好きなことをやっているようです。でも私が仕事から帰ると、すぐに学校での出来事を話しはじめます。その時、これから夕食の支度のあるあなたならどうしますか。忙しいから後でと言ってませんか。だまって子供の話をどれだけの時間聞いていられるでしょうか。私は、食卓テーブルに向かい合って座り、三十分ほど聞いてあげます。それから私が夕食を準備、せんたく物の片付けなどをしている間、子供達は勉強をしています。お風呂が終わってから夕食です。だまって食べるはずはありません。三十分で話さなかった、学校での一部始終をはなします。子供は話したがり屋です。聞き役は必要です。
これがわが家のコミニケーションの場の一つです。
それから皆様は子供とどれくらい遊んでいますか
トランプをしたり、ゲームをしたり、あるいは一緒にテレビを見て笑ったり本を読んで意見したり、工作したり、様々な遊びがありますが、私は同級生になったつもりで大さわぎしながら遊びます。一緒に遊ぶと子供の心が見える気がします。
うちの子供は工作が大好きです。幸い近くに雑貨屋があり、そこからよくダンボール箱をもらって来て、又発泡スチロールや空き箱を集めて一つの箱にいつでも用意してあるので、いろいろな物が作れます。大きな物になるとじゃまになったり、散らかったりしますがいつでも「すごいアイディアだ。誰もまねできないねえ」とほめてあげます。がらくたみたいなへんな物もあったりしますが、子供の発想に、時にはすごいものがあり驚かされることがあります。何度も何度も作っているとどんどんいいアイディアがうかんですばらしい物ができます。少しでもマイナスな事を言うと子供の発想力はとぎれてしまいます。子供が伸び伸びと楽しそうに作る事がいつか実になるものだとおもいます。
母の手はまほうの手と言いますが母の言葉はまほうの言葉です。
“あなたならできる”と自信を持たせること、信じることです。そして”努力にまさる天才はなし”です。私は、私の母からよくその言葉を聞かされました。常に努力をおこたらないことの大切さ、勉強も成績を上げることも、お母さんのためではなく、何事も自分のために自分で努力することを…母の教えのとおり、私も日々を子供と共に努力していこうと心がけています。
ほとんど私の事を話しましたがそれではわが家での父親の役目はどんなものでしょう。幸いにも自営業を営んでおりますので、父親の仕事がどんなものか知る事ができますし、働いている姿を見る事もでき、父親は何でも作れて、なおせてと尊敬していることが一番の役目です。趣味が海に行くことで、年中朝夕に海に行っているようなものです。そして、時々私達家族は揃って夜の海に出かけます休みの前日、夜の十一時か十二時頃に電灯を用意して、長ぐつをはいて、冬などは防寒具を着て……他人からみるとへんな格好をしてへんな家族だと思われるかも知れませんね。カニやタコを捕り、ひと休みにおにぎりやお菓子を食べたり、話もはずみます。夜の海はステキです。家族全員が楽しめてコミニケーションがうんとはかれるひと時です。
緑色からやがてエメラルドグリーンに変わる頃、私の子育ても実を結ぶのでしょう。母親の最大の仕事は子育てにあります。そしていつまでも輝ける女性でありたいですね。