地域の環境を美化しよう-とボランティアで花木を植樹し、村内外の人々から称賛され、今、話題になっている方々がいます。
その話題の人達は、
・島袋正栄氏(六十四歳)
座喜味四六三番地
・比嘉房雄氏(六十五歳)
座喜味六一番地
のお二人。
島 袋 正 栄 さん
「自分の健康である限り続けていきたい」と語り、毎日草花の手入れや除草、道路の清掃を行っている人が島袋さん。島袋さんは、座喜味城跡の沿道約三百㍍(片側百五十㍍)にわたって野ボタンやコスモス、マツバボタン、サルビアなど三十種類の花をはじめ、イペーや桃の木などを植樹。今や、その花々は数万本にも増えて咲き乱れ、赤、黄、紫色などの色とりどりの花が沿道を飾り、道ゆくドライバーや城を訪れる人々の目を楽しませ心を和ませている。
島袋さんは、昭和六十三年、古堅小学校を最後に教職(三十九年)を退職。その後「自分が長年の教職を過ごせてこれたのも父兄や周囲の方々のお陰。退職後、みんなの役にたつことは何かと考え、ささやかな恩返しの気持ちが花を植えることにつながった」と語り、また「花を植える前は空缶や吸い殻、紙オムツなどが投げ捨てられていたが、花が咲くようになってからはそのようなこともなくなった。花を見にくる村内外の人達も多く、訪れる人々が苗を分けて下さいと声を掛け、励ましてくれることがとても嬉しい」。「見ず知らずの人が飲み物の差し入れをすることもありますよ」と明るく微笑んでいた。
島袋さんの毎日の日課は、午前九時ごろからお昼にかけて沿道の花への散水や手入れ、座喜味児童公園の清掃を手懸けるなど、環境美化に対する精神は人一倍。「自分の健康管理を兼ね、自分が健康である限り楽しみながら続けていきたい」と、ますます意欲を見せる島袋さんである。
比 嘉 房 雄 さん
「将来はイペーの並木通りにしたい」-と、コツコツと植樹したイペーの木が百四本。
比嘉さんは、座喜味土地改良区の排水路沿約五百㍍にかけて数年前からブラジルの国花・イペーの木(別名・ブラジルサクラ)を植樹。そのイペーが今年の二月から三月にかけ黄色い花をつけはじめた。
比嘉さんがイペーを植樹するようになったのはブラジルのベロオリゾンテ日本学校に校長として三年間赴任し、その赴任中に見たイペーの木に咲き誇る黄色い花に魅せられたのがきっかけ。
ブラジルから帰沖した後は、安慶名小学校の校長を経て四十年の教員生活を退職。現在にあっては座喜味児童文庫においてボランティアで司書(月曜から金曜日の午後三時~六時)として務め、子供たちの教育にも情熱を傾ける傍らイペーの木を大事に育てている。
多忙の中にあって比嘉さんは「イペーの木は枝は折れてもすぐに育つが、根を動かせばすぐに枯れてしまい、現時点でのイペーはまだ小木で台風に弱く管理が難しい」と語りながらも「座喜味児童公園などにも今後は植栽していく」と計画を述べていた。
四㍍間隔で植えられたイペーの木は一本々、根を支柱で支え、鉄筋を利用してガードレールに頑丈に固定して管理されていて、来年もまた、美しいイペーの花並木は、きっと訪れる人々の目を奪うことでしょう。