五百五十年余の古より読谷の地で脈々と響き、伝統とロマンの香りが満ち溢れている読谷山花織。それは我が村の伝統工芸品として織り続けられ、その技法も高く評価されている。
その読谷山花織を一堂に集めて展示する企画展「読谷山花織展」が村立美術館にて八月六日から二十二日までの日程で開催された。
オープン初日には多くの関係者が出席する中、主催者を代表して伊波清安教育長が「一本一本の糸に情熱を込めて織りあげられた花織の作品が展示されている。読谷の誇る香り高い織物に接し、今後ますます発展継承して頂きたい」とあいさつ。また、出品者を代表しては去る七月一日に『第三十七回沖縄タイムス賞・文化賞』を受賞(読谷山花織の復活発展に尽くした功績)し、県無形文化財技能保持者に認定されている与那嶺貞さんが「三十数年前から花織の復興に取り組んできましたが、ここまで発展してきたかと思うと感無量です」と述べられると、館内から一際大きな拍手が沸き起こった。
セレモニーでは山内徳信村長や宮城元信美術館館長から出品者に対するお礼の言葉が述べられた後にテープカット。その後、参加者らは館内に展示された花織着物や帯地、着尺、ミンサー、ウッチャキなど出品総数百二十九点にも及ぶ色鮮やかな読谷山花織の素晴らしい作品を鑑賞。個性美に溢れ、伝統技法を駆使し、現代的な感性での新しい作品の創造の下に織りあげられた花織作品の数々は、訪れた人々の目を魅了していた。