読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1993年9月発行 広報よみたん / 8頁

高校ダンス日本一の栄冠 ダブル受賞(文部大臣賞 特別賞)の快挙

 読谷高校(金城盛作校長)のダンス部は創部以来、県内のダンスフェスティバルで絶えず優秀賞に輝き、県代表として五年連続で全国大会に出場。同校ダンス部の創造力に富んだ華麗な演技は、全国でもハイレベルの域に達している。

 ダンスは”人間の心身を投じての自己開発として、自我意識にめざめ、美的運動欲求の高まる青年期には、とりわけ重要な意義をもつ”ことから、高校・大学ダンス教育の発展と一人ひとりの若い力を燃え立たせる機会となることを趣旨として、昭和六十三年からダンスフェスティバルは開催され、フェスティバルは「創作コンクール部門」と「参加発表部門」の二部門からなり、全国の都道府県代表の高校・大学(約百二十校)が兵庫県神戸市に集い、まさしく『女子の甲子園』として創作ダンスの演技が競われる。

 壮行発表会で華麗な演技を披露

 全国ダンスフェスティバル神戸大会への派遣に向け、与那覇慶子ダンス部顧問と大城繁男父母会代表では全国出場への激励と、これまでの練習の成果を披露する目的を以て「読谷高校ダンス部壮行発表会」を七月十七日夕、嘉手納町民会館にて開催。発表会場には、小・中・高校生を始め、父母や教師など村内外から千人を超す大勢の観衆が詰め掛け、会館ホールは立ち見席ができる程に超満員の人々で埋まった。
 ステージのオープニングは軽快なダンス「元気でジャンプ」で始まり、演技は、同校がこれまで全国大会にエントリーした作品「黒潮の詩」(一九八九年参加部門)や「燃える島」(一九九〇年コンクール入選)、神戸市長賞を受賞した「明け雲」(一九九一年コンクール)の創作ダンスなどを含め十六演目にわたる演技を展開。読高ダンス部の華麗で優美な演技の数々は、訪れた観衆を感嘆させ、大きな感動を与えた。
 発表会では演技の合間をぬってゲストに迎えられた「残波大獅子太鼓」の躍動感に満ちた太鼓や渡慶次区の獅子舞いを披露。また、これに負けじとばかりに、飛び入りの男性教諭らが「YA・YA・YA」のダンスが始められると館内は爆笑の渦に。生徒達からは一斉にヤンヤの歓声と手拍子が飛び交う中、教諭らも懸命に踊ってダンス部の発表会に華を添え、会場の雰囲気を盛り上げていた。

 文部大臣賞
  受賞の快挙

 発表会で自信を深めた読高ダンス部の与那覇顧問や部員らは、神戸大会への出発に先立ち七月二十一日午前、読谷村長を表敬訪問し、全国大会への出場と盛会を極めた発表会の報告を行なった。
 応対した山内村長は「読高ダンス部の皆さんはすごい能力を持っており、それを十分に神戸大会でも発揮してほしい。皆さんが神戸に行くことは自分の人生を左右し、自身を大きく発展させることに繋がる。自分か努力した分、汗を流した分報われる。自分自身を甘やかすことなく親から授かった能力を磨き、夢いっぱい勉強にも頑張ってほしい」と激励。これに知花小百合部長は「神戸フェスティバルでは今まで練習してきた成果を発揮して頑張ります」と応えた。
 二十五日に沖縄を出発した読高ダンス部は、翌二十六日の予選を突破して決選大会(二十七日)に進出。そして、審査発表の結果『創作作品の完成度の高さ』に対しての最高賞・文部大臣賞は読谷高校ダンス部に輝き、同校は夢の日本一の栄冠を射止めた。しかも同校は、高校生のダンス日本一に輝いたばかりでなく、同コンクールの選曲部門での「特別賞」にも選ばれるというダブル受賞の快挙を達成。この二重の栄誉に、ダンス部員は喜びに沸いた。(なお、読高ダンス部は参加部門にもエントリーし、オリジナル作品「追憶」を披露している)
 那覇空港では、日本一の栄冠を手に帰沖(三十一日夜九時すぎ)するダンス部一行を関係者や大勢の父母らが祝福の横断幕を携えて一行を出迎え、金城盛作校長や大城繁男父母会代表らが部員らの栄誉を称えた。
 また、八月二日午前には、日本一の賞状と文部大臣杯の大きなトロフィーを土産に、同部が役場を訪れて嬉しい受賞報告。役場ロビーで行なわれたセレモニーで山内村長は「読谷らしい『シーサーが跳んだ日』をテーマに掲げ、素晴らしいムラづくりをダンスを通して全国に紹介してもらい喜びに絶えない。今後とも一生懸命に頑張り、世界に大きく羽撃いてほしい」と受賞の快挙を称賛。金城校長は「文字どおり、読高ダンス部が日本一に輝いた。村当局や父母会など、村民の限りない支援が子供達を育ててくれた。ダンス部の素晴らしい活躍は、読谷村の文化村づくりに、大きな夢と希望を与えるものと思う」と述べ、また、沖縄代表として初めてダンスを高校日本一に導いた与那覇慶子顧問は「受賞の瞬間、生徒達はどよめき、声を枯らして歓喜した。これまで(最高峰の文部大臣賞)これたのもみんなの支えのお陰です」と感激の模様を語り、お礼が述べられると、職員から一斉に万雷な拍手が送られた。
 読谷高校ダンス部が、五年目にしてつかんだ日本一の栄冠。それはまさしく教師と生徒が一体となった努力と、練習に培われた成果が実ったものと言えましょう。
 今回の文部大臣賞と特別賞のダブル受賞の快挙を、村民みんなで称えたい。
 おめでとう読谷高校ダンス部

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