本村における要援護老人や障害者に対するデイサービス事業、リハビリテーション事業は村民ニーズや民生・児童委員、社会福祉協議会、ボランティアなどの関係者の協力と熱意のもとで各種の福祉施策が行なわれてきました。しかし、それらの事業は専用施設でない社会福祉センターや農村婦人の家などを間借りして行なってきたため、十分なる活動が行なえない状況にあり、事業を円滑に推進しえる専用施設「生き活き健康センター」の建設は、大きな行政課題でありました。
このようなことから、本村では高齢者や障害者の機能回復・訓練、生きがい対策、入浴・食事サービス、レクリエーション活動などを行うデイサービス事業やリハビリテーション事業、そして健常者とのふれあい機能を備えた拠点施設の建設計画を平成三年から進め、昨年十二月に建設工事は開始されました。
それは、二十一世紀に向かっての地域社会の動向などを見据えた観点からの高齢者や障害者にやさしい村づくりの一環としての拠点施設の建設であり、このほど完成した福祉の館・読谷村生き活き健康センターは今後、村民の期待に応える専門施設として、その機能を十分に発揮することでしょう。
【落成を祝い祝賀会】生き活き健康センターの施設名称は、私達の人生の「生きる活力」を教訓として命名。そして、村民待望の健康センターの完成に伴い、村では落成祝賀会を催し、訪れた関係者ら約二百人と共に喜びを分かち合いました。
テープカットの開所セレモニー続き、館内の設備状況を巡視した後に落成祝賀会は行われ、式典で山内村長は「福祉はいつの時代にも私達の身近な公民館を用いて福祉公民館を造るのが望ましい。高齢化社会に向けて関係機関で万全な対策を立て、次は特別養護老人ホームを造ろう」と呼び掛け、福祉の里づくりに懸ける村長の情熱は、既に未来に目を向けていた。
また、来賓祝辞を述べた儀保輝和村議会議長は「福祉に対する本村の施策は他に誇れるものがあり、地域の方々がふれあいをする活動も他村に優って誇れるものがある。このような施設は介護者などの支援にもなり、素晴らしいことだ」と祝福した。
祝賀会は、読老連古典音楽サークルの幕開け演奏や波平、座喜味、渡慶次、大木の各老人クラブによる琉舞が披露され、健康センターの落成に華を添えていた。
完成した健康センターは、市町村独自でデイサービス用の専用施設として設置されたのは県内では本村が初めて。
同センターの建設費用には、楚辺区出身の城間文さん(九十六歳)が個人で寄付した三千万円の善意が含まれており、村では城間さんへの感謝の言葉を石に刻み、センター入り口に据えました。
施設は、鉄筋コンクリート二階建てで、延べ床面積は千二百七十三平方㍍(敷地面積約二千九百平方㍍)。総工費は二億五千百万円。
設備は、一階に機能回復訓練室をはじめ特殊浴室に調理実習室、和室に食堂、健康相談室などを備え、二階には中ホールやふれあい広場(テラス)などが設けられ、いよいよ本村での本格的なデイサービス事業がスタート。施設に勤務する介護員や介助員、看護婦などのスタッフが福祉の向上に努め、全力を尽くしてまいります。