一九九一年に、むらおこしの担い手となる人材育成を図ることを目的に開塾した読谷村商工会(大城勝哲会長)の「ユンタンザむらおこし塾」の第三期塾が八月二十七日に始まり、第三期塾には十七人の塾生が集い”むらおこし”のノウハウを学んだ。
初日の開塾式では、大城会長が、これまで取り組んだ商工会のむらおこし十年、商工会二十年の事業のあらましやユンタンザ塾の経緯などを説明しながら、塾生に対し「むらづくり・人づくりの一環として塾を開墾した。お互いが多方面から読谷村の地域づくりについて論議し、意識を啓発して地域に活力を与えられるよう、皆さんで全村民的な『紅いもの里づくり』へ積極的な関わりを持ち、力強い地域づくりに貢献して頂きたい」と説いた。
この日の講演には、役場から新城正雄企画課長が「読谷村の未来を語る」を、沖縄国際大学の大城保教授が「魅力ある地域づくり・序論」を演題として講演が行なわれ、読谷村の基本構想に基づき、行政の立場を中心に講演した新城課長は「読谷村の未来を語るには現状を認識する必要がある。行政は村民への福祉が原点で、そこに住んでいる人達が喜ぶようなことを行なうのが行政。その中で、地域づくりや人材の育成(人づくり)は重要な位置を占める」と強調した上で、読谷村のあゆみや労働力人口、村民所得などの現状に触れた後、「読谷村行政の二十年間のむらづくりは、返還軍用地の跡地利用の位置づけであった。足元を見つめた文化的な花織の復興やヤチムン、座喜味城の復元などの跡地利用に力を注ぎ、地元の素材に付加価置をつけるような取り組みを展開していった。これから展開する将来像は『望ましい環境づくり』に向けた日常生活の交通問題などを認識する必要がある」と指摘し「人が歩いても心が安らぎを覚えるような道路の建設や、緑をメーンとした街づくり、潤いのある街づくりに繋げるようなむらづくりを目指したい」と結んだ。
また、変化の時代と地域活性化を結びつけて講演した大城教授は「地域にとって魅力ある社会とは、自分が住んで皆に誇れる社会でなければならない。ほんとに住みたい社会か、自分にとって住み良い(住みやすい)社会か」と提起した後、「激動する変化の時代に、地域社会をつくり上げていくには、それぞれ(各団体組織)がもてる能力を同じ方向に向け、エネルギーを集めることが必要」と強調。そして、「いろんな変化の中に多くのチャンスがあり、役立つことがある。変化をどう地域社会に組み込んでいくのか、仕掛けをつくりだすことが重要。変化(情報)を受信し、どう自分のものに消化し直して発進していくのか、変化に対する中・長期的な戦略が必要。変化をいち早くキャッチし、マクロで考えてミクロで行動し、全国の中で読谷にしかないものを探すことが、魅力ある地域づくりに繋がる」と説いた。
九月三十日までの日程(六回)で開塾した第三期ユンタンザ塾には、村内外からの講師を招聘しての講演や研修会などが行なわれ、その間、塾生らはむらづくりに関するノウハウを、熱心に学んでいた。