一九九三年「全国中学校選抜体育大会」で、柔道個人戦(55㌔級)にエントリーした新垣琢也君(読谷中三年)が、見事に柔道日本一に輝きました。
全国大会は、兵庫県にて八月十八日~二十日の日程で開催されましたが、柔道団体戦に出場した読谷中学校は予選リーグで惜しくも敗退。だが、55㌔級に出場した新垣琢也君は、各県の代表四十八人が出場した個人戦でも、団体戦で見せた負けなしの実力を発揮して決勝に進出。決勝では、奈良県・天理中学の選手に優勢勝ちして初優勝を飾り、悲願の全国制覇を達成。県内の中学生では初めて、新垣君が柔道日本一の快挙を成し遂げた。
八月二十四日午前、中学生柔道の日本一に輝いた新垣君は、優勝報告のためにコーチであり父親である新垣盛雄さんと連れ立って役場を訪れた。役場ロビーで催された報告会では、安田慶造助役が「これまで沖縄の中学生が成しえなかった全国制覇を達成した。これは厳しい練習を乗り越えた精神の賜であり、今後も大きくはばたくことを祈ります」と激励。そして日本一を果たした新垣君は「自分は優勝できるとは思わなかった。県大会で優勝した時、みなさんが激励・応援してくれたお陰で全国大会でも優勝することができた。高校に進学してからも柔道を続け、将来はオリンピック選手になれるよう頑張ります」と力強い決意が述べられると、役場職員から大きな拍手が沸き起こった。また、父親の盛雄さんは、試合経過に触れながら「第一次予選リーグで二勝を挙げ、決勝トーナメントに進出した。決勝トーナメントは各選手とも実力は互角で紙一重。優勝できたのは、柔道で最も重んじる試合後の服装や節度、試合態度がどの選手よりも優っていたことが優勢勝ちにつながったと思う」と評価し、「予選を突破して後は、試合前のウォーミングアップや自らに気合いを入れて自分を高める準備を怠らず、一戦一戦で成長・たくましくなっていくのが伝わり『これは、いけるぞ一』と思っていた」と我が子の快挙に目を細め、更に「読谷中学校の柔道の名をもっと高めていきたい」と今後の抱負を述べていた。
新垣盛雄さんは、ご存じの通り読谷少年柔道クラブの監督。これまでに、同クラブを名門チームに育て上げ、県内では無敵を誇り、もっか少年柔道大会では八連覇を達成中。また、同クラブ所属の喜屋武元気君が昨年、小学五年の部で全国を制覇し、小学生柔道の日本一に輝いたばかりでなく、同クラブ出身では、松田哲也君(読谷中→沖尚高校)が全国高校柔道・ドイツ遠征の日本代表選手に選抜されるなど、素晴らしい選手を輩出。県内出身で、これまで柔道日本一になった選手は、真喜志慶治君(沖尚高校→天理大)をはじめ喜屋武君に続き新垣君の三人。そして、中学生では新垣君が県勢初快挙を成し遂げた。
このうち、柔道日本一を達成した選手が二人とも、本村出身であることは名誉なことであり、村民としても大きな誇りでありましょう。
新垣琢也君の日本一の快挙を、村民みんなで称えたい。