おきなわ、こころ、つちをテーマに、「金城実・彫刻展」が八月二十七日から九月十九日の間、村立美術館にて催されました。
同展は、彫刻家・金城実氏の二十有余年にわたって心魂を注ぎ創作した作品を、氏の「フランス・パリ展」での出品作を中心に、これまで「沖縄巡回展」と称して、那覇市民ギャラリーでの展示を皮切りに、勝連町農民研修センターを巡回。そして今回、読谷展の開催となったもの。
多くの関係者が訪れたオープンセレモニーで、金城氏は「読谷村だけが行政レベルで『戦争と平和展』を受け入れてもらえ、今でも感謝している。読谷村との出会いは、村長のアメリカ大統領ジミー・力ー夕ーへの直訴や文化村づくりを本土で知り、勇気づけられた。読谷での展示は二十年来の希望であったし、作品には二十年間の紆余曲折した流れがあるのを見て頂きたい」とあいさつ。また、山内徳信村長は「土は生きていて、(金城氏は)土をとおして子供たちを教育している。作者の創った生命がここには集約されている」と述べた。
館内には、金城氏の力作六十点余が展示され、観賞した参加者らは、彫刻家・金城実の世界に圧倒され、作品の数々に感動を抱いていた。
金城 実 経歴
1939年 沖縄県勝連町の離島浜比嘉島に生まれる
1957年 琉球政府立前原高校卒業
1960年 京都外国語大学入学
1970年 沖縄での反米暴動「コザ事件」に刺激され、制作活動始める
1971年 代表作「沖縄」「1945.8.18」(集団自決モニュメン制作
1972年 沖縄、日本返還。代表作「瀕死の子を抱く女」制作
1973年 沖縄で個展。「摩文仁丘」制作
1974年 「拷問」で大阪市長賞
1977年 大レリーフ(7m×12.5m)「解放へのおがり」
「漁夫マカリー」(大阪市長賞)「鬼神」
1979年 大レリーフ「戦争と人間」全国80ヶ所で巡回展(~’80まで)
1980年 定時制高校生の像「希望への力像」
1983年 大阪で個展「吟遊詩人」展
1986年 沖縄で「残波大獅子」建立。大阪で個展「運動としての親鶯」像建立(兵庫県)
1987年 長崎原爆記念公園に「長崎平和の母子像」建立
沖縄戦集団自決の像「チビチリガマ世代を結ぶ平和の像」建立(後に、右翼によって破壊される)
1988年 京都・大阪で個展
1989年 京都個展
1990年 沖縄・京都で個展
丸木位里・俊さんと沖縄作品展(熊本)
1991年 京都個展
1992年 大阪・京都・滋賀で個展
フランス・パリで個展