読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1994年3月発行 広報よみたん / 9頁

【見出し】新春文化講演会 青い目が見た大琉球

 村民の文化活動の活性化につなげよう-と、中央公民館では一月二十日夕、「青い目が見た大琉球」を演題とした新春文化講演会を催し、講師にはフリーカメラマンのラブ・オーシュリー氏(大湾在)が招かれ、会場には六十人余の聴衆が訪れる中、オーシュリー氏は講演の冒頭に「グスーヨ、チューウガナビラ。ハンザムークです」とウチナー口であいさつし、訪れた聴衆を笑いに誘った。
 講演では、氏が沖縄に兵隊として赴任した直後(二十年前)の頃、「友達から”イヤーヤ ヌートルバトーガ”や”ヌー ムヌカンゲーソーガ”の言葉が沖縄の挨拶用語であると洗脳され、これを信用して人々に出会う度ごとにこの言葉を交わして怒られた」というエピソードを話すと、会場内は爆笑の渦に・・・・・。
 その後、沖縄や日本の文化に触れ、「沖縄と日本とでは性格や考え方、習慣がまるで違う。日本人は幕の内弁当(壁で隔たりがある)みたい。それに比べて沖縄人は、”イチャリバ チョーデー”の言葉どうり、昔から外国人を心良く受け入れる人情味(心)があり、人種偏見もないチャンプルー文化。バラエティーに富み、より国際的で文化の高い島である」と語る一方で、イギリス人のバジル・ホールが百八十年前に書いた古文書や、アメリカで印刷された”初版の百科事典”(二百年前もの)に記載された琉球の歴史に触れ、「最初に琉球に来た青い目の外人は、武器を持たず、建前でなく本音で接して人々を歓待する琉球人の広い心、素直で礼儀正しさに感嘆していた様子や、この時代から琉球にはティッシュペーパーが有り、男女の自由な恋愛に驚嘆していた様子が書かれている」と述べ、「ティッシュペーパーは琉球時代の発明であることは、アメリカ博覧会の琉球コーナーで関心を集めていた」と紹介。更に、「琉球というところは小さい島だが、文明化して力を持っている広い王国(理想的な社会)である」と語り、「外人から見る沖縄は世界一住みたいところである。貿易基地(フリーゾーン)として適し、沖縄はアジア一として自信を持つこと。沖縄は文化が深く、沖縄口も素晴らしい。だから私は、沖縄に永住したくてアメリカに帰らず、読谷に家を建てる計画をしている」と講演を締め括った。
 また、会場を訪れた人達は、オーシュリー氏が話す軽妙なウチナー口や流暢な日本語、それに英語をミックスしたユーモア溢れる語り口に、終始笑い声を発しながら、楽しく講演に聞き入っていた。

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