読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1994年4月発行 広報よみたん / 8頁

【見出し】(3)社会福祉増進のための施策(4)生活環境の整備に関する施策(5)「ノーベル平和賞を夢みる村民基金」収益金事業の推進

 (3)社会福祉増進のための施策

 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしたいという願いをもっております。今日、高齢化が進展する中で福祉行政に対するニーズも年々増加し、その内容も複雑多様化してまいりました。このような状況にあって、一人びとりが福祉に対する理解と関心を持ち、親から子、孫へと「福祉の心」を日常生活の中で、受け継ぐことが今求められております。
 今年度は「よみたん村保健福祉プラン21」の策定を受け、実施計画の初年度になります。そのため財源の確保と人的な対応など、村民と行政が手を取り合って進めていく必要があります。
 「福祉は人なり」といわれるように、福祉のネットワークづくりは重要な課題であります。今日まで社会福祉協議会やボランティア、各福祉団体等と相定携して福祉施策を展開してまいりました。
 昨年度は「生き活き健康センター」でのデイサービス事業の開始とゆいまーる共生事業、よみたん村福祉プラン21の策定、老人福祉医療費助成(おむつ代支給)、重度心身障害者(児)医療費助成、措置権委譲に伴う諸事務等の拡大を進めてまいりました。今年度は老人保健福祉計画の実施初年度として、各公民館を拠点としたゆいまーる共生事業の拡大とお年寄りや身体障害者の措置事務の充実と強化を柱に次の施策を進めてまいります。
 本村の六十五歳以上人口は三、二五〇人となり、総人口の九・八%を占め、毎年上昇を続けております。社会環境や親子関係の意識の変化などに伴い、本村におけるお年寄りを取りまく現状も複雑化し、虚弱なお年寄り痴呆、一人暮らしのお年寄りなどへの施策が重要となっております。これらに対処するため、ホームヘルパー派遣事業の充実強化を図るとともに、昨年オープンし村内のお年寄りから喜ばれております「生き活き健康センター」でのデイサービス事業を村民一体となって進めてまいります。更に、各地域公民館を「福祉公民館」として位置づけし展開しておりますゆいまーる共生事業も喜名、渡慶次に続き新しく、宇座、楚辺、牧原の三か所で開始され、今年度も内容の充実と拡大を図ってまいります。
 平均寿命の伸びや余暇時間の増大により、高齢期を充実したものにして頂くため読老連と連携し、お年寄りの社会参加や生きがいづくり、仲間とのふれ合いを通し、各単位クラブの育成、各種サークル活動、健康増進などを推進致します。かねてより課題でありました特別養護老人ホームも建設準備に入りましたので、福祉法人との連携を密に、デイサービス、ショートステイなど施設サービスの拡充を推進し、高齢化社会に対応してまいります。
 ボランティアの育成はこれからの成熟した福祉社会を支える大切な事業であり、ボラントピア事業を通し、社協と相定携して進めてまいります。
 次ぎに、ねたきり老人や心身に障害のある老人への生活支援として、老人福祉医療費助成(おむつ代支給)及び重度心身障害者(児)医療費助成を継続してまいります。
 また、今後ますます老齢化が進展していく中で国民年金は村民の老後の所得保障を担う大きな柱であるとともに、村に及ぼす経済的効果も大きなものがあります。本年度においても、公的年金制度の意義と役割について正しい理解と認識を高めるとともに、第1号被保険者(学生、自営業、無職)の適用促進と保険料の収納を重点目標とし、第2号被保険者(サラリーマン)の喪失者の移行、第3号被保険者(サラリーマンの配偶者)の種別変更、無年金者の発生防止に努めてまいります。
 精神薄弱者(児)福祉については、読谷かりゆし学園の法人化及び園舎建設の年と位置づけ支援するとともに、授産施設読谷福祉作業所が十周年を迎えるのを機に、施設の拡張を支援してまいります。なお、今年度より重度身障世帯へのホームヘルパー及びイドヘルパーの派遣を推進してまいります。
 保育所では、子供たちが健やかに成長することを願い、その発達段階に応じた保育を実践するとともに、特別保育事業の拡大や障害児保育の充実に努めてまいります。
 母子寡婦・父子家庭との連携は極めて重要であります。今年度も母子会との連携を強め若年母子・父子への指導や支援を強化し活動の充実を図ってまいります。
 民生委員・児童委員は厚生大臣の委嘱を受け、各々の担当地区を持ち地域における福祉活動の推進をはじめ、ボランティア活動、相談指導など村民との大きなパイプ役となってご尽力頂いております。今年一月、制度の改正により主任児童委員(三人)が設置され、児童生徒及び母子・父子の健全育成に向けた活動が従来よりも強化されてまいりました。今年度は先進地への視察研修に支援してまいります。
 保健事業の推進に関しましては、「自らの健康は自ら守る」という観点に立ち、「健康づくり村民の集い」(「健康週間」)等を実施してまいります。
 病気の早期発見を図るため住民検診を実施し、村民の健康状態の把握に努め、健康保持と事後指導の強化を図ってまいります。
 母子保健事業については、母子の保護及び乳幼児の健全な発育に資するため、妊産婦、幼児の健康相談、健康診査、予防接種等を推進してまいります。また、全国的に少子傾向にありますが、次代を担う乳児(満一歳に満たない者)の健全育成を図ることを目的に医療費助成事業が今年度からスタートいたします。
 デイケア活動については、精神療養者家族会が結成され、療養者の福祉向上をめざし頑張っているところであります。今後も家族会と相提携し、その福祉向上に努めてまいります。
 診療所はこれまで保健・医療事業の拠点として、環境保健課との連携のもと各種の予防接種、職場検診、人間ドック、さらには老人保健事業、母子保健事業、健康意識啓発事業等を実施してまいりました。今後も村民の健康管理センター的な施設としての診療所の役割は大きく、他の医療機関との連携を密にし、疾病の早期発見、早期治療を促進してまいります。

 (4)生活環境の整備に関する施策

 健康で文化的な生活を享受するためには生活環境の整備がきわめて重要な事業であり、明るく住みよい村づくりの基本であります。その具体的な施策として次のような事業を実施してまいります。
 上水道は、人間が健康で文化的な生活を営む上で欠くことのできない基盤施設であります。本村の水需要は人口の増加、社会環境の変化、生活水準の向上などにより年々増大しております。 このような状況のもと「よりおいしく、より安全な水」を確保し、安全給水体制の強化を図ることが重要であり、これまで総配水管施設整備計画に基づき基本施設として県企業局の読谷調整池の完成に伴い、本村の送配水管布設工事を実施してまいりました。今年度も自然流下方式への移行のため、長浜地内と渡慶次、儀間地内での配水管布設工事や楚辺地内公共下水道整備事業に伴う配水管施設の布設替え等の整備を進めてまいります。
 道路は快適な社会生活を営む上で欠くことのできない骨格をなすものであります。これまで数多くの村道及び住民生活に密着したコミュニティー道路を整備してまいりましたが、今年度は次ぎの事業を実施してまいります。
 まず、新規事業として(仮称)伊良皆~喜名線、二次改築として大木線、上地~座喜味線を整備してまいります。また、継続事業として十年目を迎える喜名地区移転先地公共施設整備事業や座喜味西線、大湾4号線、伊良皆3号線を整備してまいります。生活道路、生活排水路につきましては、今年から対米請求権事業が見直され、助成金が廃止されるなど厳しい状況にありますが、今年度も縮小して事業を実施してまいります。
 また、排水路の整備につきましては、防衛施設庁所管の事業で座喜味地内を、厚生省所管の痴地方改善施設整備事業で喜名地内と比謝地内の各排水路を整備してまいります。
 下水道の整備につきましては、川や海を守り、豊かな住みよい生活環境を創り出すために欠くことのできない根幹的な都市施設整備事業であり、平成二年度より楚辺地内で継続的に事業が展開されているところであります。昨年度は約一千五百メートルの下水道管の埋設工事と下水道処理場の処理槽(二基)の■体工事を実施してまいりました。今年度は、引続き約二百メートルの下水道管の埋設工事と昨年度建設した処理槽の設備工事と管理棟の建築工事を実施してまいります。

※続く

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