読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1994年4月発行 広報よみたん / 14頁

【見出し】五おわりに 

※続き。項12

 ⑤読谷村環境美化推進条例の制定について

 本村におきましては「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」の分別収集を行い「村指定ゴミ袋」を採用する等、ゴミ処理問題に対処してまいりました。また、資源ゴミ集団回収事業により奨励金を交付し、環境美化及びゴミの減量化を図ってまいりました。
 各字においても毎年区民総出による一斉清掃やボランティアの皆様の自発的、積極的な活動により環境美化に対する協力を得ているところであります。しかし、道路沿いへの空き缶やビニール袋、紙くず等の投げ捨てや、特に海兵や人目につかない場所では、一部の心無い人々によって大量のゴミが捨てられている有様であります。
 今回制定する条例は、読谷村の村づくり運動の基本である人に優しい地域環境と、花と緑につつまれた潤いのある清潔で美しい文化村を建設するためであります。そこで空き缶等ごみ散乱を防止し環境美化を図って行くため村民や本村を訪れる方々、各事業者、土地又は建物の占有者等の責務及び必要な事項を定め、清潔で美しい村づくりをめざすことを目的としております。

 ⑥比謝川行政事務組合の設定について

 本村においては、昭和六十年に一般廃棄物最終処分場を建設し、埋め立て処分により一般廃棄物の処理を行ってまいりました。しかし、近年の生活水準の向上や消費生活の多様化に伴って、ゴミの量は増える一方であります。そうした中、最終処分場の延命化を図るため平成二年四月から「燃えるゴミ」については嘉手納町の清掃工場で処理を行い、その処理残渣については本村の最終処分場で埋め立て処理を行ってまいりました。ところが、嘉手納町の清掃工場も十五年が経過し老朽化が進み、毎年多額の補償費を投じている現状にあります。そこで全面合同処理を目標にしている両町村での協議が相整い、増える一方の廃棄物に対処するため、新たな清掃工事の建設と両町村の広域的なゴミ行政を協力して推進するため平成六年四月一日を期して一部事務組合を設立し、共に快適な住環境づくりに努めることといたしましたので、今後とも村民各位のご協力をお願い申し上げます。

 ⑦緑化及び美化運動の推進

 平成三年度から平成四年度にかけて整備してまいりました親誌砂良原の苗畑も順調に緑化木の生産を続けております。今後も村民のニーズに応えることができるよう内容の充実を図ってまいります。また、庁舎建設に向けての緑化木の生産、村民からの無用木の移植等も行ってまいります。
  さらに、長期的な視点に立った読谷村緑化計画も継続して策定してまいります。この緑化計画は、住民の積極的な参加を得て、花と緑にあふれた地域づくりの気運を盛り上げ、二十一世紀に向けた本村の景観をも考慮したものにしたいと思っております。
 今年度で三回を迎える読谷村植樹祭も次第に村民の間で定着してまいりました。豊かな緑、平和な森を創造するために、村民一人びとりが実際に植えて育てるという体験を通して緑の重要性への理解を深め、去る大戦で失われた緑の回復をめざすものであり、多くの村民の参加を呼びかけたいと思います。

 ⑧平和行政の推進

 一九八九年に冷戦の終結が宣言されて三年余、米口両国の核の臨戦態勢の解除が進むとともに、東側の軍事同盟であったワルシャワ条約機構は解体し、米軍も軍備の削減過程に入る中で、沖縄の基地だけが何等変わることなく、県民の声を無視して演習やそれに伴う環境破壊が続いております。
 こうした状況の中で、昨年の平和創造展は「環境と平和」をテーマに第二回環境自治体会議の成果を踏まえ企画展を開催致しました。
 地球的な視野に立ったとき、全世界的な課題はもはや軍備の増強や核兵器による均衡論ではなく、病んだ地球を救い、環境破壊をやめ、人々が平和の中で豊かに生活する方策を確立することに他なりません。
 今年度も、本村の「平和条例」の趣旨に基づき、平和創造展等の平和事業を推進してまいります。

 ⑨海外移住者子弟研修生受入事業の推進

 昨年度から、南米各国から海外移住者の子弟を研修生として受け入れ、技術の習得や村民との交流を通して社会の発展に奇与する人材の育成と移住国と古里読谷村との友好親善を目的にこの事業がスタート致しました。年度当初は応募者がなく第一期生の採用が危ぶまれておりましたが、昨年十月ボリビアから喜瀬普美頭君が沖縄産業開発青年隊での研修を目的に来沖し、研修生として採用されました。今年度はブラジルから将来栄養士になることを夢みて天久静香さんが応募しております。
 遠く離れていると一世、二世の思いとは異なり「ふるさと沖縄・読谷村」という意識をもって生活すつ若者たちは次第に少なくなってまいります。今後も移住地(国)と読谷村をつなぐ心の架け橋として、この海外移住者子弟研修生受入事業を展開してまいりたいと思います。

 ⑩村づくりビデオの制作について

 復帰後二十年余が経過し、これまで村民はいろんな分野で活躍を展開し今日の読谷村を建設してまいりました。こうした村民の各分野における活動を振り返りながら映像資料として編集し、村づくり運動への理解と今後の活動の展開に資することを目的に制作するものであります。

 ⑪第二〇回読谷まつりについて

 読谷まつりは、年々歳々、規模内容ともに大きくなり、正に圧巻、豪華絢爛たるもので、見る人々に大きな感動を与えております。村内すべての団体が実行委員会を組織し、老若男女、村民総参加、手作りのまつりとして県内外からの評価も高いものがございます。昨年は、ハワイ読谷クラブ、ハワイ沖縄県人会婦人部をはじめ北海道池田町、新潟県大和町、鳥取県淀江町等、およそ八万人の方々が参観いただきました。
 今年度は、大阪読谷村人会の皆さんが「赤犬子琉球古典音楽大演奏会」への参加を希望するなど、二十周年を記念する一大イベントとして拡充を図ってまいりたいと思います。

 ⑫職員の増員について

 多様化する行政サービスと新しい行政需要の増大は、現在の陣容では対処しきれない状況であり、村民福祉を増進するためには必要最小限の増員を余儀なくされております。そこで企画課に二名、総務課に一名、経済振興課に一名、消防本部に二名の増員を計画しております。
企画課については、庁舎建設に伴う業務量の増大と新規に女子職員を配置し本村の女性政策を担当させ男女共同参画型社会の実現に資するものであります。消防本部におきましては、大型ホテルの新設や住宅団地等の中高層建築物の増加による年々増える消防業務に対処するためであります。総務課、経済振興課については長期休業職者がおり、その対応措置として行うものであります。

   五、おわりに

 一九九四年(平成六年)度予算につきましては、これまで申し上げました諸施策を中心に次のように編成致しました。
一般会計
 七十四億九七八九万二千円
国民健康保険特別会計
 二十億九三七七万八千円
老人保健特別会計
 十五億七四六八万八千円
水道事業特別会計
 八億一八九二万一千円
診療特別会計
 一億七六二二万一千円
 以上の五会計で一二一億六一五〇万円となり、八%になっております。さらに今議会は議案二十二件を提案してありますが、このほかにも数件の議案を追加提案する予定でございます。
 最後に、本村がかかえております諸問題の解決にあたっては、職員一体となって取り組んでまいります。議会議員をはじめ村民各位の一層のご協力、ご指導をお願い申し上げ施政方針といたします。
 一九九四年三月十日
      読谷村長 山内徳信

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