「今が青春!楽しくて楽しくて!」とチャレンジ精神に燃え、ウージ染めに情熱を傾けている人が地域の話題になっている。
その話題の人は、
比謝矼八四番地にお住まいの比嘉好子さん(六十八歳)。
一年前、きび作農業を営む比嘉さんは、春植えキビ(茎)から残った葉がもったいないと考えるうちに、キビの葉に付加価値をつけようとウージ染めに取り組んだ。
比嘉さんが本格的にウージ染めを始めたのは「よみたんまつり」に参加した染め作品の入選がきっかけ。
以来、染めに魅了された比嘉さんは、手探りの中でウージ染めの方法を独学し、これまでに多くのウージ染め作品を仕上げてきた。その数、五十点余にも及ぶ。
このことから比嘉さんは、同じキビ作農家への刺激とやる気(キビの増産)をねらいに、JAゆいな読谷支部南部出張所(元農協南部支所・長浜真博所長)で五月十一日から二十三日までの間、「ウージ染め手作りの作品展」を開いた。
展示会場の入口にはキビの葉が据えられ、ロビーには山吹き色に染められたうえ、色糸や輪ゴムで紋様を形どった洋服類やTシャツ、のれん、座布団、バッグ、コースター(グラス置き)、ハンカチーフなどの多種多様のウージ染め作品が展示され、訪れた人々に感動を与えていた。
作品展を開いた比嘉さんは「子供七人を育てあげ、活きていることの素晴らしさを感じている」と話しする中、ウージ染めの方法は「大鍋で葉を三時間余り煮立たせ、その煮汁に三十分間布を浸し、ひやした後に媒染剤を混入して発色(色を定着)させ、洗浄した後に二度染めに入る」とのコツを明かし、そして、「身近にあつ綿や麻、絹を素材に染め、輪ゴムを利用して模様を描き、これを自分では”輪ゴム染め”と呼んでいる。プロが見たら物笑いですよ」と笑う。
染めに入ると時間が経つのも忘れ、しばしば夜業になることもあると言う比嘉さんは元教師。教諭を退職後も様々な活動に積極的に行動すると共に地域でもリーダー的な存在。それでも今やすっかりウージ染めのとりこになった様子で「今が青春、楽しくて楽しくて」とその情熱は衰えることを知らず、ますます意欲を燃やしている。
また、会場ではウージ染め作品の他にも、紅芋(豊紫の品種)染めの作品も展示される中、出張所に勤務する桃原幸子さんは「村内外からの関心も高く、友達を誘って訪れる人々が多い。中には作品を欲しがる客もいますよ」と好評の作品展に喜んでいた。