”福祉講演会”を開く
また、六月九日夕には石原茂樹氏(日本手話通訳士会会長)を講師に招き、「情報化社会の中で生きる聴覚に障害を持つ人々の現状と課題」をテーマに、福祉講演会が催された。
会場には多くの聴覚障害者らをはじめ福祉関係者ら約三百人が集う中、手話通訳に知念喜代さん。会場に集った聴衆にスライドを使って解説する筆記に、要約筆記サークル・うさぎ(那覇市のボランティア)の皆さんが協力して講演は進められ、手話を交えた石原氏の講演に、会場の人々は熱心に目と耳を傾けた。
講演で石原氏はまず、自身の手話との出会いと体験を紹介。そして「現在の日本社会は聴覚障害者が差別的な法律(能率の範囲が狭い)の下で暮らし、外国と比べて遅れている。障害者が平等に働ける日本にするためには法律を変えなければならない」と指摘し、「健聴者が手話を知り、世界観を広げることにより素晴らしい人生になれる。手話を学び、とても大事な場面で手話訳ができることは大変素晴らしいことで名誉なこと。ボランティアだけでなく、常に社会の中でどういう役割をもつのかを考えて、聴覚障害者と健聴者が理解し合って頑張る必要がある」と述べた。