芸能の村と呼ばれる読谷の芸能や伝統的な音楽文化をまるごと経験しとう-と、東京から「読谷村にエイサーを訪ねる旅」の一行(九人)が本村を訪れ、座喜味城で我が村の伝統芸能を観賞した。
読谷村への芸能の旅は、民俗音楽の専門家である山本宏子さん(東京校区立文化財研究所芸能部民俗芸能研究室調査員)が一九九三年に紀要した”沖縄読谷村のエイサーの伝承組織”の論文がもとで企画されたもの。
一行は、六月二十五日午後に読谷村に入り、楚辺の赤犬子宮や伝統工芸センターでの読谷山花織の製作工程を見学し、翌二十六日には城間楽器店(上地区)で太鼓の製作工程を見学。また、歴史民俗資料館においては山本宏子講師と村文化振興課の長浜真勇さんによるレクチャー(講義)が行われた。
同日の夕刻には座喜味城内で野外芸能鑑賞会が催され、一行は、各字の伝統芸能「上い口説」(宇座)や「南ヌ島」(儀間)、「棒術」(座喜味)「エイサー」(楚辺)の演技や楚辺老人会の三線演奏「島唄」を満喫すると共に、芸能の終了後は昔の村遊び風に全員が車座になって、地元の人々との親睦・交流を深めていた。
本村の芸能を見て、芸能の旅一行の方々は「これだけの人達が私達を歓待していただき驚きと感謝の念でいっぱい。感動の連続でカメラのシャッターを押し忘れた」「沖縄の芸能は個性的で素晴らしい。芸能の数々は本土にない芸能の魅力をもっていて見ていてとても感激し、鳥肌のたつ思いがした」「読谷の青年たちは明るくてさわやかな人達。よろしければ毎年ツアーを組みたい」と感想を語り、また、芸能鑑賞の橋渡しをした長浜さんは「読谷の芸能を見たいというツアーの皆さんに地域の若者らが快く協力して頂いた」と出演者らに感謝を述べる一方で、「今度の催しは出演者同士の交流にもつながった。これを契機に、今後とも地域に根ざした読谷芸能文化を、座喜味城から発進していきたい」と意欲を示していた。