読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1994年9月発行 広報よみたん / 2頁

【見出し】優れた民話の永久保存を! ~資料館講座~ 講演「読谷村の民話」

 読谷村の民話の伝承状況を聴講しよう-と、村歴史民俗資料館(名嘉真宜勝館長)では七月十六日午後、同館で「読谷村の民話」を演題とした資料館講座を開いた。

 講師には、読谷村の民話をはじめ、各地の民話調査に参加。沖縄の民話の記録保存及び研究者として活躍する遠藤庄治沖縄国際大学文学部教授が招かれて講演。
 遠藤講師は先ず、本村での民話調査(昭和四八年の予備調査~五一年より本格調査)の経緯に触れ、「読谷の民話」は四、五三四話、一七七本のテープに収録できた。これは歴史の記録として永久に残せるもの」と説明した上で、「読谷の民話調査は県内各市町村と違うところが一つある。それは、ゆうがおの会や資料館が中心となって継続して民話集の発刊に努力している点である。これらの民話集は一つの県の調査に匹敵する数であり、より優れている。一つの市町村でこれだけの民話を残せる読谷村は幸せである」と称賛した後、教授は自信が調査した資料「読谷村の民話」を紐解きながら講演を進めた。
 教授によると「昔から本土と沖縄の民話で共通している点があり、無関係ではない。読谷の昔話の約六割近くは本土の民話との関連性が強く、古い時代から子供達に語り継がれてきたことがわかる」と語る一方で、近年における民話調査の課題をあげ、「最近では方言で話のできる話者が残っていない。ほとんどの話者が共通語と方言のマンチャー(混合)話者か、共通語話者で、本物の方言(純粋な島言葉)が失われてしまっている」と指摘し、早めの調査の重要性を唱えるとともに、「その点、早めに調査した読谷は、多くの民話を残すことができた。調査の点にも優れ、貴重な民話と貴重な方言が収録された文献である。老人の言葉一つびとつが宝物であり、貴重な民話をCDに残して永久保存する必要がある」と提起した。

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