本村の特産品・紅いもに付加価値を高め、個性ある賞品開発と販路拡大を活発に展開している「むらおこし会社(株)ユンタンザ」(松田昌彦社長)が九月十四日、国(沖縄総合事務局通産部)の”地場産業等振興対策費補助”対象に内定されました。
新製品の開発をめざす
同補助金は、地域経済の担い手であり、雇用機会の確保などを通じて活力ある地域経済社会の形成に大きな役割を果たしている企業や団体を対象に交付されるもので、ユンタンザが受ける補助金は「地域資源等活用型起業化事業」として、国・県から合わせて一千万円。
(※ユンタンザでは「起業化計画書」を策定し、二月に県工業振興課へ、七月に沖縄総合事務局に提出していた)
ユンタンザでは、事業名を「商品、デザイン、技術開発及び改良事業」とし、「紅いもの加工、新製品の開発、販路拡大のための市場調査、販売手法の開拓」を図ることを目的に、本村で生産される年間約一千トンの紅いもをパウダー(又はフレーク、グラニュール)の形状に加工し、貯蔵、輸送を容易にして業務用としての用途の拡大を図るとともに、パウダーやペーストを原料に二次加工品(菓子、食品等)の新製品を開発し、観光土産品や他府県への販路拡大に向け、商品パッケージの改良やマーケティング調査、新製品のテスト販売などの事業を実施するとしている。
アイディアの提供を
事業を進めるユンタンザは、社の役職員や村内の村おこし活動家らで構成する開発委員(十三人)と、県内外の食品に関する専門家らを交えた専門委員(四人)を設置し、既に長期保存も可能な試作品・紅いもフレーク(乾燥粉末)を開発。このフレークを使った二次加工品の開発と販路拡大のための商品パッケージの改良等はこれからの取り組みとなる。
このことから、ユンタンザでは同事業を「村おこし事業」としてトータル的な産業育成の中に位置づけた商品開発を行う観点から、大城勝哲ユンタンザ副社長(商工会会長)は「全ての村民に紅いもの加工品や商品開発に関するアィディアの提供をお願いしたい」と募る一方で、「村民からのアィディアに基づく試作品は調理師や栄養士などの専門スタッフで製造し、商品として販売可能か県内外のイベントやアンテナショップなどのネット網を通じてテスト販売したい」と語り、更に「パッケージの研究は既に専門委員に委すられており、ユンタンザむらおこし物産展(来年三月)には新商品の発表会につなげたい」と述べた。
同事業は、平成七年三月までの単年度事業。ユンタンザでは、今後の具体的な事業スケジュールに併せ、紅いもの色彩を生かした「ファッショナブル」を基調にイメージアップを図り、特産品のピーアールや購入運動を展開するとしている。
なお、同社では南海王国「琉球の風」内ショップをはじめ、沖縄残波岬ロイヤルホテルでの朝市を行っているが、この程開業したホテル「日航アリビラ」でも十一月一日から朝市を展開するとし、着々と販路を拡大している。
▼(株)ユンタンザ
読谷村字波平一〇七〇ノ一
□九五八-一三九一