移民した村民の気概を称えよう-と、「関西地区読谷郷友会」(金城洪臣会長)と「記念モニュメント・旅人を支援する会」(松田昌吉会長)を中心に、景勝の地・残波岬の展望台前(通称・船送り毛)で九月十九日に起工式を挙行した「旅人」の碑がこの程完成しました。
その記念碑の「除幕式」は十一月五日午後に行われ、式には来村したの方々約七十人に、地元関係者ら四十人余が出席し、モニュメントの完成を祝いました。
役場の古典音楽愛好者らが「かぎやで風節」などの音楽を奏でる中、除幕は、郷友会の金城会長や支援する会の松田会長、山内徳信村長と儀保輝和村議会議長らによって行われた。
式では、金城会長が「関西地区読谷郷友会の結成十周年の記念事業の一つとして、郷友会の先輩方のご苦労と読谷を思う郷愁の念を形にしたかった。春の甲子園に読谷高校が出場したのが建立のきっかけだった。夢をありがとう」と感謝を述べ、また、松田会長は「資金造成などに協力していただいた三千人余の人々に感謝する。このモニュメントが、海外に雄飛した人々に夢とロマン、伝統と誇りを抱かせるよう未来永劫に見守っていこう」とあいさつ。引き続き行われたセレモニーでは、郷友会と支援する会から村に記念碑を贈呈すると共に、建立に貢献した関係者らに感謝状と記念品が贈られました。碑の寄贈を受け、あいさつした山内村長は「待ちに待った旅人の除幕式が行われ感無量。モニュメントができてこれ以上上の喜びはありません」とお礼を述べる一方、「甲子園で読谷高校が頑張ったお陰で読谷と関西が一つになりました。この地は戦前、旅立つ人々を見送った由緒(離別の情)ある土地・多くの人々の協力で残波岬にまた新たなモニュメントができ、感謝します」と述べました。
式終了後は、この日のためにはるばる関西から訪れた多くの人々が、記念モニュメントを眺め、笑顔で談笑する人や記念写真を撮る人がいる一方で、感激のあまり目頭にハンカチをあてがう婦人らの姿も見られました。。碑はブロンズ彫像で、「船送り」「花風」「甲子園の球児」の三面のレフリーからなり、村内在住の彫刻家・金城実氏によって制作されました。
なお、記念モニュメント「旅人」の建立には、関西郷友会の募金をはじめ、支援する会が募った一般募金やチャリティー募金、国吉真勇民謡研究所による「記念モニュメント『旅人』建立チャリティー芸能公演」(九月二十五日、残波岬いこいの広場ステージ)などで資金造成が行われ、芸能公演での収益金の一部は十月十一日午前、国吉代表が役場を訪れ、松田会長に四十万円が託されました。