雲を表現
労働省の「現代の名工」(卓越した技能保持者)に選ばれた稲嶺盛吉さん(55歳)がこの程、琉球ガラスの新技法を開発。開発した技法は名付けて「雲流」。
座喜味のやちむんの里近くに活動拠点を置く、”宙吹ガラス工房「虹」”の稲嶺さんはガラス一筋40年、琉球ガラスの第一人者で県知事認定の優秀技能賞にも輝いている。
新たに開発した技法は従来の泡ガラス製品に新素材(素材は企業秘密とのこと)を加えて「雲」の形にする手法。
巻き付けるように溶かし込む新素材は、調合する量や時間帯、温度差によって「雲」の色も白、紫と様々に変化するという。
稲嶺さんは「この技法を産みだすまでには三年有余の研究(失敗と試行錯誤)の末にヒントを得、三月中旬にやっと思い通りの表現・表情が出せるようになった」と語る。新技法の開発で、「皿や花瓶などの作品やいろんな用途の作品にも素材が広がり、より幅が広くなった」と述べ、新技法の完成を喜んでいた。