去る三月の「議会定例会」(儀保輝和村議会議長)では村政運営の所信表明が行われ、その中で山内徳信村長は、今年度は、沖縄戦終結五〇周年を機に、各種の平和事業を推進することを表明し、その記念事業のスタートの取り組みとして読谷村議会並びに読谷村は、三月三十日の他意義において「不戦宣言」決議を全会一致で可決し、声高らかに恒久平和を訴えました。
本村の不戦宣言決議は「非核宣言」の村民意思を体して執行部、議会の意思を集約し「不戦の式典」のなかで「不戦宣言」を内外に表明し、後世への平和事業につなごうとするもので、不戦宣言の動機について山内村長と儀保議長は「住民代表である議会と村は車の車輌。戦争そのものの狂暴さを忘れないということが大事なことから不戦決議をした。平和な読谷・沖縄・日本をつくることを誓い、記念モニュメントを建て、老人会や婦人会、青年、児童生徒らの意思をモニュメントに刻んでいきたい」と述べた。
また、今議会では議員提案による「核兵器全面禁止・廃絶国際条約の締結を求める意見書」と「沖縄県中部病院の存続と拡充強化に関する意見書」及び「沖縄県議会議員中頭郡選挙区定数増に関する要望について」が可決されました。
不 戦 宣 言
読谷村は、米軍最初の沖縄本島上陸地点となり一面焦土と化し、今日なお米軍基地が村土の 四十七%を占める。
読谷村民は、第二次世界大戦、太平洋戦争の中で三千七百名余の尊い人命を失った。今な■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■の教訓として、今後二度と再び戦争を起こさない、 起こさせないとの決意を表明する。
日本国憲法の平和主義と、非核三原則の導守を訴え、沖縄戦終結五〇周年にあたり、平和を 希求する三万三千余の村民意思として次の不戦の誓いを宣言する。
不戦の誓い
人類の未来は常に明るいものでなければならない
それは全ての人類の共存、共生、協調の時代
各の脅威からの解放は人間性の解放は人間性の解放につながり
大自然と調和する人間の営みは、明日への活力を生む
沖縄の心、それは武器なき社会であり
武力によらず、人間相互の信頼と
文化文物の交易によって生きてきた
我々は、国家のために次また次へと
沖縄を犠牲にすることを拒む
決して攻撃せず、決して侵略せず
子らを再び戦場へ送らない
人類の未来は常に生命が大事にされなければならない
戦場で、惨禍に見舞われた人々に明日はなかった
降り注ぐ砲弾の雨のなか逃げ惑う人々の恐怖
生きることへの希望の芽は踏みつぶされ
その狂暴さは深く心に刻まれた
そのことを忘れない
巡りきた沖縄戦終結五〇周年を機会に
戦争による三千七百余の死者への弔いと
沖縄戦から学んだ教訓、それは非戦の誓いであり
ここに、あらためて恒久の平和を願い不戦を誓う
一九五五年三月三〇日 沖縄県読谷村議会
沖縄県 読 谷 村