文化センターの最優秀作品(設計競技)を発表
読谷村の村づくりの基調は「村民主体」「村民総参加」「風土との調和」を旨として、戦争で失われた沖縄の自然・環境・文化の再生を願い、21世紀へのメッセージとして、奪われた土地(読谷飛行場)の中に、沖縄の風土にマッチした「沖縄の建築文化」の真髄を再現し、沖縄固有の文化活動を核として、世界の文化へと発展していける文化の殿堂を創ることが村民の夢であった。その第一歩を踏み出した喜びは大きい-山内徳信村長。
役場新庁舎との調和に優れる
村では一九九九年の完成を目指し、芸能や音楽等の文化活動の拠点として、固定席を有した文化ホールと中央公民館機能を備えた複合施設(仮称「文化センター」)の建設計画を進め、平成六年度に基本設計業務を翁wけん建築士会に委託し、県内の建築士を対象にした設計競技が行われ、21世紀の文化の殿堂としてふさわしい作品の選定が実施された。設計競技は県建築士会の第七回競技として開催され、三月六日・七日に審査が行なわれた結果、応募総数54点の中から((株)国建・国場幸房さんの作品が最優秀賞に選ばれた。翌八日午後、村総合福祉センターで開かれた「設計競技入選者の発表及び記念講演」には大勢の関係者らが出席する中、入選者の表彰や応募作品(模型や設計図)の展示が行われ、会場を訪れた人々は優れた作品の数々に、くいいるように見入っていた。審査講評では、三井所清芝浦工業大学教授が「かけがえのない施設を設計コンペで選ぶ方法は民主主義の理にかなってりっぱなこと」と話した上、「評価のポイントは新庁舎との文化ホールとの一体感。(最優秀賞作品は)隣接する役場庁舎との調和に優れ、読谷の人々の気持ちを分かりやすく建築として表現している」と評し、また山内村長は「文化センターの審査を無事に終え感動した。文化の香りとロマン溢れる施設をうちたてるのが読谷村の夢。建築士会がりっぱな方向づけをして頂いた」と感謝の言葉を述べた。
文化センターは敷地面積一万三千五百平方㍍に、延べ床面積四千五百九十平方㍍(文化ホール部門二千五百平方㍍、中央公民館部門二千九十平方㍍)の赤瓦屋根二階建てを予定。建築工事費は約十八億円。文化ホール部門には舞台やリハーサル室、楽屋などを備え、客席は七百人収容の固定席を設置する。また中央公民館部門は事務室をはじめ、和室、中ホール、耕作実習、講座室、図書資料室などの設計計画をしている。
建築場所は、読谷飛行場の北側部分。新庁舎と文化センターの建設については、昨年十一月に国有財産沖縄地方審議会が「一時使用」の形で用地を貸し付けることを答申。近く日米政府の合意を経て正式決定される見込み。
表彰式では引き続き、三井所教授が「地域文化の活性化と公共施設の役割」を演題に講演が行われた。
文化センター設計競技の入選者は次の通り。
【最優秀作品賞】
・国場幸房
【優秀作品賞】
・桃原正和
共同設計者・佐久川一
・福嶋誉子
【佳作】
・真玉橋朝雄
・新城安雄
・粟国文雄
共同設計者・又吉哲夫
【奨励賞】
・大嶺むつみ