読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1995年9月発行 広報よみたん / 12頁

【見出し】子供たちの平和のメッセージ

今年は沖縄戦終結50周年。
沖縄県をはじめ、県内市町村や県内各地で様々な平和の式典が行われている。
 本村では、去る三月議会定例会において「不戦宣言」決議を採択したのをはじめ、四月十九日には村内の各種団体を網羅した「読谷村・沖縄戦終結50周年記念事業実行委員会」(山内徳信委員長・村長)を結成し、四月二十八日に「読谷村不戦・平和の式典」を挙行し、恒久平和を希求する取り組みを開始した。村ではその記念事業として12事業を計画している。
 六月二十三日は慰霊の日。この日、村内各字でも慰霊祭が催されたが、座喜味子ども育成会(喜友名昇会長)では大勢の子ども達が”語りつごう平和の尊さと戦争の悲惨さを”の横断幕や「軍事基地反対」「命どう宝」などのプラカードを携えて平和行進し、高らかに「平和のちかい」を宣言。平和のメッセージは当真嗣清助役に託された。
 また、県の総務部平和推進課が、県内の児童・生徒を対象に募集していた「子どもたちの平和メッセージ絵画・作文・詩の作品」の審査結果が二十一日に発表され、本村から応募していた大城あんりさん(渡慶次小学校六年)の作文が見事に優秀賞に輝いた。

【本当の幸せ】 大城あんり【渡慶次小六年)
 「ここにあらためて恒久の平和を願い不戦を誓う」
これは、私達が読谷村不戦・平和の式典で読みあげた「不戦宣言」の一文です。
 私達の学校は今、戦争のこと、平和のことについて勉強をしています。ある日、先生が「今年は、沖縄戦終結50周年です。それでね渡慶次小学校は平和のことについて勉強しているから、今度、『不戦宣言に出てみませんか』って言われています。すごいね。出てみたい人」ということで六年生の中から希望者をつのって32名が参加しました。
 初めに役場から担当の小橋川さんが来ていろいろなことを話してくれました。「国と国との争いのために、本当につみのない人々が殺されました。読谷村のチビチリガマという所では、天皇の教えをならい、たくさんの人が自決してしまいました。『ほりょになつて生きるよりは国のために死ぬほうがいい』と信じこんでいたのです。けれどシムクガマという所では、平三さん、平治さんという人がいた。その二人はハワイで育って、その教育はうけてなかったから、英語でアメリカの人たちに話して、危害を与えないことを知ると、自分の命を守ることを選んだ。それでそこにいた人はみんなたすかったわけだ」といろんなことを話してくれました。
 「だからみんなが、『戦争はぜったいにしません』って宣言するの。がんばろうね」と練習にはげみました。
本番の日、村長さんやいろんな方々の話を聞き、この「不戦宣言」がどんなに大切なことなのかがわかりました。
 私達は、「二度と戦争をおこしてはいけない」と会場にいる人に心からよびかけました。
この不戦宣言を通して幸せについて改めて考えさせられました。
 日本では、戦争をしない決意のおかげで幸せです。しかし、今なお、他国で戦争が続いています。つみのない人々がどんどん殺されています。その戦争のおかげで宇宙に一つしかない、この地球をどんどんほろぼしています。地球にいるには、私達人間だけではないのです。動物、魚、木、その他いろんな者や生物がいるのです。ですからもっともっと地球を大切にしなければならないと、私は思います。本当の幸せとは何なのでしょうか。他国で戦争があり、地球がいためつけられ、アフリカなどでは、1日にたくさんの人が死んでします。それも食べものがないためにです。幸せな国があり、不幸な国がある。どうしてなのでしょうか。私達人間はそれでいいのでしょうか。私はそうは思いません。父は「そのような人々を、みんなで助け合い、平等にするのが私達のやらなければならないことなんじゃないかな」と言っています。
 自分さえよければいい。なんてことは、ぜったいにまちがっています。地球上のすべての人間の幸せを、いいえ、地球上のすべての生き物たち、植物たちの幸せを作ってからが本当の幸せが生まれるのではないでしょうか。
今、私にできることは、まわりにいる友だち、家族、困っている人たちへの思いやりの心をもってせっすること。そして動物や植物など生命のあるものすべてを大切にすることだと思います。

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