読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1995年9月発行 広報よみたん / 16頁

【見出し】花織には希少価値の魅力ー読谷山花織創作発表会・講演会ー

 平成七年度の地場産業振興補助事業の一環として、読谷山花織事業組合では七月二十四日午後、村総合福祉センターにおいて「読谷山花織創作発表会」と花織の需要開拓に向けた「講演会」を開いた。
 会場には花織着物や色とりどりの反物などの作品が数多く展示され、手織りの温もりがホールに伝わる中、講演会には約百五十人の花織関係者らが集い、熱心に講演に聞き入った。
 講演会には高級呉服専門店(株)錦の中澤重次社長及び(株)染と織・琉藍の野村正弘社長を講師に招聘し、呉服業界の立場からの販売戦略(理念や思想)の貴重な提言が行われた。
 講演では先ず、中澤社長が「呉服の商品は展示会の商売で、創客(お客様をつくる)と客への対応(何を求め、何を欲しがっているのかを接客して感じ取る)のウオッチングが必要」と説き、そのためには「客の変化の情報(どういう色や柄を好むのか)をつかみ、情報をもとに品揃えをするかが重要」と指摘した上で、「花織には手作りの温もりがある。が、本土の着物関係者でもほとんどの人が知らず、知っている人でも高いというイメージを持っている。今、日本の着物の消費の現状は一兆二千五百億円で、これは国民一人で千円を使う計算になる。現実の姿を直視し、客の観点から着物を見直し新しいものへの挑戦も必要」と強調。さらに、「着物は全体の80%が冠婚葬祭で着用されているが、着る立場にたって織る必要がある。着物には婚葬祭用に着る【礼】、成人式やパーティーなどの【華】、お茶会、唄会、踊りなどに着る【遊】、展示会用の【巧】がある。日本人だから着物に対する趣味や私的なものに対する関心が高く、礼・華・遊・巧のコンセプト(概念・理念・考え方)を持つ販売戦略が必要」「本物には希少価値の魅力があり、見たい、知りたい、感じたい、持ってみたいとの知的で良いイメージがあり、知的に見えることで、若い女性にも人気が高く、(着物愛好者も)多くなっている」と話して講演を締め括り、その後は展示作品の品評が行われ、市場でよく好まれる(売れる)色や模様、配色、構図などに、細かな助言が行われていた。

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