読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年1月発行 広報よみたん / 9頁

【見出し】無心・無欲な世界(児童生徒作品展) アリビラバザール賑わう(読谷やちむんと北海道うまいもの市)

 伝統工芸の特色ある村として、児童生徒にやちむん造りの喜びと創造性を培ってもらおうと、村立美術館(宮城元信館長)では去る七月の夏休みに、村内各小学校の五~六年生らを対象に「陶芸教室」を開き、土器づくりを行った。
 その児童生徒の作品が乾燥~野焼きを経て完成したことから、同館では十一月十一日から二十六日を会期に「児童生徒作品展」を開催した。
 初日に行われたオープニングセレモニーでは、古堅中学校の茶道部の生徒らが野点を開き、訪れた大勢の関係者らを一服のお茶で歓待した後、主催者を代表して伊波清安教育長が.「館内には子供たちの意気込みが感じられる素晴らしい作品がいっぱいで、プロにはない感覚でみずみずしい」とあいさつ。引き続き、講師を努めた山田真萬氏は「子供たちの無心・無欲さの中から予想もしない作品が出来上がり新たな感動を覚えている。一人ひとりの個性が調和する無心・無欲な世界だ」と評し、子供たちを褒めた。
 また、参加した児童生徒の代表らは「ただの固まりだった土から一つ一つの作品が出来上がっていくことに、とてもわくわくした」や「陶芸はやればやるほど難しい」「陶芸ってほんとにおもしろい。よい思い出をありがとう」「歴史や文化の香りがする読谷村がますます好きになった」などとそれぞれに感想を寄せ、また、山内村長は「私は今、感動・興奮、人生の有り難さを感じている。このセレモニーは最高の感動だ」と語り、即興の詩を披露して関係者らにお礼を述べた。
 館内には、~土と童~と描かれた大きな垂れ幕が掲げられる中、児童生徒らが発想もユニークに作りあげた多種多様な作品(面や動物、土鈴など)数百点がズラリと展示され、鑑賞した人々に深い感銘を与えていた。
 また、同展と併せて座喜味城内では香川県出身の県立芸大研究生の「安岐理加展」が
行われ、松林に鉄の彫刻、城内には新聞を樹脂で固めてつくられた全身黄色の子供ロボット群(二十七体)に、真っ赤な色で塗りつぶした大きな四角い箱が展示され、不思議で妙な雰囲気を城空間に演出した。

 十月二十八・九日の両日、「第一回アリビラバザール~読谷やちむんと北海道うまいもの市」が、ホテル日航アリビラの大駐車場で開かれ、市は初日のオープンと同時に、村内外から訪れた大勢の人出で賑わった。
 今回初めて開かれた「バザール市」には、本村で活躍する窯元らの陶器類や琉球ガラス製品販売コーナーなどに加え、「北海道うまいもの市」や「読谷の特産品コーナー」「お楽しみ抽選会」(一等は北海道往復航空券)や「ゲームコーナー」「ステージショー」「体験ロクロコーナー」に、ホテル一流シェフによる「うまいもの屋台」、南海王国「琉球の風入場割引券進呈コーナー」などの盛り沢山のコーナーが設けられ、人々を楽しませた。
 訪れた観客には親子連れの姿も多く、市価の10%~50%の安価で販売される陶器類を買い求めるとともに、休憩広場では北海道の珍味などを味わい、大勢の人々が満面に笑みを浮かべていた。

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