プロ野球の春季キャンプのメッカになりつつある沖縄には、広島東洋カーブ、日本ハムファイターズ、中日ドラゴンズ、横浜ベイスターズ、オリックスブルーウエーブの五球団がキャンプをする中、今年は、本村でも韓国のプロ野球球団「三星ライオンズ」(季光珍社長)の選手、監督・コーチを含めた総勢五十二人が訪れ、平和の森球場においてキャンプが行われました。
一月十七日~二月十五日の日程で行われた同球団のキャンプには、期間中有意義なキャンプができるよう、村教育委員会社会教育課の職員らが対応して友好・親善を深め、また、選手らが宿泊する沖縄残波岬ロイヤルホテル(米田等支配人)では一月二十五日夕、白仁天監督やコーチ陣の「歓迎レセプション」を開き、共々に三星ライオンズの優勝を誓い合いました。
歓迎会には村三役(村長、助役、収入役)や社会教育課長らも招かれ、その中であいさつに立った山内村長は「三星ライオンズが読谷キャンプで成果を挙げ、優勝できるよう頑張っていただきたい」と述べ、これに季社長は「キャンプ中はお世話になることがたくさんあると思いますが、よろしくお願いいたします。読谷村でのキャンプを基盤として、皆さんの期待に応えたいと思う」と述べ、その後は和やかに交流が深められました。
三星ライオンズ球団・運営部(権勝大氏)によると、同球団はこれまでアメリカやオーストラリアで、春季キャンプを行ってきたが、韓国からの時差や気候差(±30度)で一週間の無駄が生じ、選手のコンディション調整が目茶苦茶になる状態が生じ、良い結果が出せなかったという。このことから、同球団では他に代わるキャンプ地を探すことを決め、日本全国の球場を探し求めたが、本土は風と寒さが強くキャンプ地として適しなかった。それで、キャンプ地を沖縄(読谷村平和の森球場)に決めたというもの。権氏は「周囲が静かでキャンプするには環境が素晴らしい。選手も非常にいいと言っている。グラウンド整備にも村が協力していただき感謝しています」と伝えていました。
なお、コーリャンリーグ(韓国リーグ)は、誕生してから十五年と歴史は浅く、八球団で年間百二十六試合が行われるという。その中で、三星ライオンズは一九八五年の優勝から、以後は毎年二位~三位を保ってきた強豪球団ではあるが、昨年(一九九五年)は五位に低迷。その雪辱を打破すべく、今年は春季読谷キャンプでの成果を基に、全選手一丸となってリーグ優勝を目指しています。