読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年6月発行 広報よみたん / 8頁

【見出し】「尊農敬民之碑」を建立 碑の除幕式を挙行

 本村では、『尊農敬民の思想は人間社会の基本でなければならない』(山内村長)と、農民への熱い思いを抱き豊かな農村社会の建設をめざして二十年の歳月をかけて進めてきた長浜ダムを完成させ、その完成を記念して「尊農敬民之碑」を建立しました。
 「尊農敬民之碑」は長浜ダムの上流沿いに建立。その除幕式は四月二十四日午後、同地にて挙行されました。
 式には県や村の関係者ら約六十人が出席する中、碑の除幕が行われ、引き続き山内村長があいさつ。山内村長は、長浜ダムの建設から散水式までの経緯を述べた後、「夢を込めた立派な記念碑が建立できたことに感動している。終生忘れられない意義ある除幕式であった」と語り、関係者らにお礼を述べました。
 また、古波津忠弘中部農林事務所長は「読谷村政の熱き思いが形として表れていることに感激している。喜びを一緒に噛み締めたい。今後とも胸を張って頑張って頂きたい」とあいさつ。安田慶文長浜川土地改良区理事長は「立派なダムができ、管理が重大な使命だと痛感している。受益者として立派な運営をしていきたい」と祝辞を述べました。その後は懇親会へと移りそれぞれの関係者らが思い出話に花を咲かせました。
 なお、記念碑には山内村長が進めてきた農政への想いが、碑文に刻まれています。

【尊農敬民之碑】の碑文
村農敬民の思想は人間社会の基本でなければならない
しかし、歴史上最も暗く、重い犠牲を強いられてきたのは農民であった。「貧窮問答歌」「慶安の御触書」はそれを物語っている
沖縄県民は長い異民族支配を絶ち、日本国憲法の下へ復帰した
農民への熱い思いを抱く読谷村は、県を動かし、国をも動かし豊かな農村社会の建設をめざし、この地に長浜ダムを計画した
農民は豊かで幸せにならねばならない
大地の恵みである農業は人間生活の母である
大地を耕す農民は人間杜会の父である
豊かな農業、明るい農民生活
歓喜にみちた農民、幸せな農村社会の未来を夢見て
地域住民と共に力を合わせ長浜ダムは建設された
農民が逞しく生きる社会でなければいけない
農業は人類の命を支える産業である
それ故、農民としての誇りと自信の持てる社会を願い
亜熱帯の輝く太陽の光と熱をエネルギーに
亜熱帯の島に降り注ぐ雨と水を生命の源として蓄える
豊穣のダム、農民讃歌の長浜ダムは遂に完成した
一九九六年 読谷村長山内徳信

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