読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年7月発行 広報よみたん / 26頁

【見出し】<読谷補助飛行所滑走路偵察訓練>訓練を阻止した -米軍車両慌ててUターン- 400人の村民「大きな成果だ」

【読谷】「われわれの闘いは訓練を中止に追い込んだ。大きな成果だ。今後も全力を挙げて阻止するぞ」。在沖米空軍が十一日午前、読谷補助飛行場で予定していた初の滑走路偵察訓練は、四百人近い村民の阻止行動で中止に追い込まれた。早朝には、米軍車両と村民が対峙し、米軍車両をUターンさせる場面もあり、一時緊迫したが、山内徳信村長らは「村民の大きな成果だ。今後も心をひとつにして闘っていこう」と勝利の気勢をあげた。米軍は午前九時四十分に訓練中止を決定した。
 米軍の訓練予告時間は、午前7時半から午後三時まで。村は午前六時に村民の決起を呼びかけ、役場職員、村議、各自治会長、地主、各団体などから次々と、飛行場わきに結集した。
 村民らは飛行場へ通じる十一カ所にピケを張り、「絶対阻止」の構え。ここ数年にない最大規模の動員数を見せ、村民の怒りの気迫を感じさせた。
 午前六時五分ごろ、米軍のピックアップ車がカラーコーンを積み、演習場内へ進入しようと試みたが、村民が車の前に立ちはだかり引き返させた。その際、村民と警察官が押しあう場面も見られたが大きなトラブルにはいたらなかった。この日、県警は機動隊員など百五十人以上の警察官を装甲車に待機させ不測の事態に備えた。
 米軍は地元住民が多数集まり、抗議集会、補助飛行場へ通じる十一カ所の通路が”封鎖”されていることから、住民とのトラブルを避けるため中止を決定した。
 山内村長は「きょうの阻止行動は大きなトラブルもなく闘わずして勝利した。無線で連絡をとり臨機応変に動いたこと。また、すべての村民が自らの問題として立ち上がったことが勝利の要因だ。今後も絶対に許さないという気迫で施設の撤去に追い込もう」と声を大にした。

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