読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年7月発行 広報よみたん / 33頁

【見出し】米軍、キビ畑で猛訓練 時間も延長夜間、終了 村民、たきびの抗議

【読谷】在沖米海兵隊は、ヘリコプター延べ二十四機、武装米兵約百人を動員して二十一日夜、読谷補助飛行場で「避難訓練」を強行し、読谷村の上空はヘリの爆音に見舞われた。ヘリで投入された武装米兵らは黙認耕作地のキビ畑で作戦行動するなど、読谷村民の神経を逆なでした。山内徳信村長をはじめ約百三十人の村民が演習場につながる東西南北四カ所の農道の入口でたき火をたいたり、サイレンを鳴らすなどして抗議した。山内村長は「十八日に降下ミスを起こしたばかりである。きょうは読谷村勤労体育館の落成祝賀会があるので訓練は中止するように米側に要請した。理を尽くして要請しても聞き入れないというなら、将来どのような事態が起こっても責任はもてない」と、怒りに声をふるわせていた。
 この日の訓練には、金武町のキャンプ・ハンセン所属の第七海兵連隊第一大隊約百人がCH53大型ヘリ五機で嘉手納空軍基地を経由して同飛行場に投入された。訓練に立ち会った在沖米海兵隊基地報道部のシャープウェル少佐は「通常の避難訓練である。訓練のシナリオについてはコメントできない。災害など特別な状況で孤立した民間人を救出するという海兵隊が行っている通常の訓練である」と説明していたが、仮想敵部隊や内乱などで包囲された米民間人の救出を想定した訓練のようだ。
 夕やみの迫った読谷飛行場の上空を北の方からUHIJヘリに誘導された五機のCH53大型ヘリの部隊は、低空で旋回したあと滑走路跡に土煙を上げて次々と着陸した。M16ライフル、手投げ弾などで完全武装した海兵隊員がヘリからはき出され、周囲のキビ畑で作戦を展開した。同じようなヘリ部隊による兵員投入が二波にわたってくり返された。
 これに対し読谷村、読谷補助飛行場地主会、婦人会、青年会など村内のいろいろな団体で結成されている「読谷飛行場内米軍落下傘演習場撤去要求実行委員会」(委員長・山内徳信村長)は、同飛行場の北側広場で抗議の大会を開いた。
 「児童生徒の生命と学習権をおびやかす演習場を即時撤去せよ」と欠いた横断幕を掲げたり、ヘリ部隊が襲来するたびにスピーカーで「米軍はアメリカに帰れ」など叫んで抗議した。一方、県警は現地警備本部(本部長・成底■嘉手納所長)を設置し、機動隊約二百人を動員して演習への村民の出入りを完全にシャットアウトした。
 なお、午後九時十五分から同九時四十七分にかけてUHIJ二機、CH53ヘリ十機が次々同飛行場に着陸し、演習場で作戦を展開していた約百人の海兵隊員を乗せてキャンプ・ハンセンに引き揚げ、訓練を終了した。訓練通告では午後九時までとなっていたが、約一時間もオーバーした。

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