【読谷】在沖米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)は二十六日午前七時から読谷補助飛行場で今年十一回目のパラシュート降下演習を実施した。これに対して読谷村では山内徳信村長をはじめ、村議会、区長会、地主、村職労ら百人が抗議行動を展開。グリーンベレーの駐留しているトリイ通信基地の正面ゲートを午前八時二十分から約三十分間、住民が封鎖するなど、米軍演習への怒りを突きつけた。
読谷補助飛行場について村民は即時全面返還を強く要求今年六月十九日の日米合同委員会で同飛行場の返還があると期待していた。しかし、米軍が返還には難色を示し、返還は実現しなかった。このため、村民は強く反発。米軍のパラシュート演習に対して、二十六日から各団体にも呼び掛け、従来にない強い抗議行動を行った。
抗議団は午前六時すぎにはトリイ通信基地から滑走路に通じる道路に集結。米軍の大型トラックは抗議団を避けて、別の道から飛行場に入り、午前八時五十分から演習を開始した。
一方、抗議団は午前八時二十分からトリイ基地前で抗議行動。基地の正面ゲートを封鎖して「グリーンベレーは帰れ」「読谷飛行場を返せ」「演習をやめろ」などのシュプレヒコールを繰り返した。この間、米軍車両は別のゲートから出入りした。ゲートでは嘉手納署や県警機動隊が警備にあたったが、大きなトラブルはなかった。
抗議集会の中で、読谷飛行場の戦後処理と転用計画を求める読谷村実行委員会の儀保輝和委員長(村議長)は「読谷飛行場は新しい村づくりの大きな拠点である。これが米軍のために返還がおくれているのは絶対にゆるせない。グリーンベレー、トリイ基地をハワイに追い出すまで頑張ろう」と強調した。
また、読谷飛行場所有権回復地主会の比嘉憲一会長は「われわれ六百六十四人の地主は飛行場を取り戻すために半世紀近くも闘っている。米軍がこの地から出ていくまで闘う」と訴えた。さらに、伊波栄徳県議は「日本軍は戦争で国民、県民、村民をないがしろにした。軍隊は決して村民を守らない。祖先が築いた読谷村の土地は村民が平和のために使うべきだ」と強調した。
また、山内村長は「国は総理大臣が返還を約束したのだから一日も早く飛行場を返すべきだ。日本軍、米軍に土地を奪われた村民の気持ちがわかるか。軍隊はわれわれの抗議をせせら笑っているが、土地は村民の物である。読谷村の素晴らしい村づくりのために土地を取り戻すまで、さらに闘いを強化しよう」と訴えた。
同村では保革を超えて、読谷補助飛行場の返還を強く要求しており、今後とも米軍演習への抗議行動を強化する方針。