在沖米軍特殊部隊(グリーンベレー)は三十日午前、読谷補助飛行場で過去最大規模の慶百二人がパラシュート降下訓練を実施した。午前九時十五分に”第一波”の十二人がCH46ヘリで降下したのを皮切りに、同日午前十一時四十五分までに次々に大量降下。これほどの規模で降下訓練が実施されたことは過去にもない。これまでの最高四十八人(ことし二月十九日)を大幅に上回っている。
訓練に使用されたCH46ヘリは特殊部隊の基地であるトリイステーションと読谷補助飛行場の間を計十五回もピストン飛行した。
同補助飛行場でのパラシュート降下訓練は今年四回目で、うち一回だけは空軍航空宇宙救難回収飛行体であとの三回は特殊部隊。今年に入って特殊部隊の使用頻度の多さが目立っている。
この日は反対行動もなく、米兵の家族数人が見物している程度だったが、降下地点では海兵隊のMPと嘉手納署員が警戒にあたった。
【読谷】読谷補助飛行場で三十日実施された特殊部隊(グリーンベレー)によるパラシュート降下訓練は、延べ百二人が降下するという過去最多規模となったが、その訓練の際、三人の降下兵が演習場外に着地していたことが読谷村役場職員の調べで分かった。再配備されたグリーンベレーの演習外落下が確認されたのは初めてだが、過去に度重なる事故で住民が大きな被害を受けていることから村では同日、那覇防衛施設局に対して「落下の事実確認をするとともに、落下した三人の名前を役場に知らせるよう」申し入れている。
演習場(提供施設)外落下を目撃したのは村役場の大湾近常企画課長ら職員二人。大湾課長らの話によると、第一回の降下が始まった午前九時十五分ごろ、飛行場のメーン滑走路東側の黙認耕作地であるサトウキビ畑に十二人のうち三人が落下した。落下した場所は演習場から二十-五十㍍外側になっており、現場では耕運機に乗っていた農民も目撃している。
大湾課長らがすぐに落下現場に行き”失敗着地”の三人に対し「あなたたちが落ちたのは施設外ではないか」と言ったが、三人は「ノーマップ」と答え取り合わなかった。そこを嘉手納署警備課職員が通りかかったため大湾課長らは現場の状況を説明した。
さらに同課長らは警戒にあたっていた海兵隊のMPに駆け寄ったが、現場責任者である隊長はみつからなかった。そこで同じく現場にいた防衛施設局職員二人と県基地渉外課の職員二人に報告し、演習が終わった昼過ぎ、現場確認にあたった。
村役場ではその場で施設局職員に対し「責任をもって演習場外に落ちたという事実確認をし、三人の隊員を確認して名前を役場に知らせて欲しい」と申し入れた。
一方、那覇防衛施設局では「二、三人が提供施設外に降下した可能性がある」として事実関係を調査中で、一両日中には結論を出すとしている。また県基地渉外課も関係当局から事情を聴くなど事実の調査を始めている。